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公開日: 2026.08.31

更新日: 2026.08.31

シニアマーケティングの成功事例5選|成果につながった施策と成功のポイントを解説

少子高齢化が進むなか、シニア層を対象とした商品・サービスに力を入れる企業が増えています。

一方で、「シニア向けに広告を出しているのに問い合わせが増えない」「紙とWebのどちらに予算を割くべきか判断できない」という声も少なくありません。

シニアマーケティングで欠かせないのは、年齢だけで顧客を一括りにせず、生活背景や価値観、悩み、デジタルの利用状況まで理解したうえで施策を組み立てることです。

本記事では実際の成功事例を課題・施策・成果・成功要因の順に紹介し、共通点と自社での進め方まで解説します。

シニアマーケティングとは?成功事例を見る前に押さえたい特徴

シニアマーケティングとは、中高年・高齢者を顧客として捉え、その生活状況やニーズ、情報行動を理解したうえで、商品開発やコミュニケーション、販売チャネル、顧客体験を設計する活動です。考え方の土台は一般的なマーケティングと変わりません。違いが出るのは、生活者の個人差が大きく、検討期間が長くなりやすい点にあります。

シニアを年齢だけで一括りにしない

「シニア」に一律の定義はありません。65歳以上を高齢者とする統計は多いものの、実務では50代後半からをプレシニアとして対象に含めるケースもあります。

同じ70歳でも、就業状況や健康状態、家族構成、資産、趣味によって関心を持つ商品は変わります。65歳以上人口は3,619万人、総人口に占める割合は29.4%にのぼります。これだけの規模を年齢と性別だけのペルソナで捉えるには無理があります。

出典:総務省統計局「統計トピックスNo.146 統計からみた我が国の高齢者

シニア=アナログという思い込みを捨てる

紙媒体や電話が有効に働く商材は今も存在します。ただし「シニアだから紙」という判断は、機会損失につながりかねません。2024年のインターネット利用率は60代で90.4%、70代で69.8%に達しています。

出典:総務省「令和7年版 情報通信白書

二択で考えるのではなく、ターゲットの行動と商材特性に合わせてWeb広告、SNS、メール、イベント、紙媒体を組み合わせる。これが接点設計の出発点です。

関連記事:【2026年度最新版】シニアのSNS利用率は?企業が押さえるべきSNSマーケティングのポイント

商品ではなく「生活者の課題・実現したいこと」から考える

顧客が求めているのは商品そのものではなく、その商品で手に入る生活です。補聴器なら、企業が伝えたいのは性能でも、当事者が気にするのは「友人との会話を楽しみたい」「周囲からどう見られるか」といった点になります。

この後の事例も、どのような心理を捉え、どの接点でそれを動かしたのかという視点で読むと、自社の商材に置き換えて考えやすくなります。

シニアマーケティングがうまくいかない主な理由

成功事例の前に、つまずきやすいパターンを整理します。失敗の構造がわかると、各事例の成功要因も理解しやすくなります。

「シニア」という大きな括りだけでターゲットを設定している

50代後半と80代では、生活スタイルも健康状態も情報収集の方法も大きく違います。年齢・性別に加えて、ライフステージ、悩み、価値観、行動、商品を必要とするきっかけまで具体化すると、届けるべき相手の像が定まります。

企業側の思い込みで訴求・クリエイティブを作っている

「高齢者はこういうものを好むはず」という想像で施策を固めると、本人が自分向けだと感じにくい訴求になりがちです。高齢者向けであることを前面に出すほど距離を置かれるケースもあります。アンケートやインタビューで実際の声を集め、そこから訴求を組み立てるとズレが小さくなります。

顕在層の刈り取りだけに偏っている

検索広告のように、すでに商品を探している層へ届ける手法は効率的です。ただし終活や住宅、補聴器などは、検索が始まる前の層が市場の大半を占めます。顕在層だけを追えばCPAは上昇するため、将来顧客と接点をつくり、体験で関心を育てる視点も欠かせません。

接点づくりからCVまでを一つの施策だけで完結させようとしている

高額商材や検討期間の長いサービスで、広告を見た直後に問い合わせる人はごく一部。それでも、広告から問い合わせまでの一直線で成果を判断する例は少なくありません。心理段階に合わせて接点を分け、顧客がどこで止まっているのかを見極める。ここが改善の出発点になります。

シニアマーケティングの成功事例5選

ここからは、シニア領域に特化した支援を行うオースタンスの事例を、課題・施策・成果・成功要因の順に紹介します。

成功事例1:LIXIL|アンケート型広告から1,000件超の資料請求を獲得

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LIXILの新商品「ボディハグシャワー」は、全身を包み込むように浴びる従来にないシャワーです。認知拡大は想定より早く進んだものの、その先で深い関心を持ってもらう施策が課題でした。

実施したのは、アンケート協力を入口にしたプロモーションです。回答前に商品理解へ特化したページを置き、シニア向けコミュニティ「趣味人倶楽部」が第三者の視点から紹介する構成にして売り込みの色を抑えました。

成果は資料請求1,000件超。理解特化ページの読了率は85%を超え、CPAは1,000円以下に収まりました。並行して開いた体験会では、参加者の投稿によるUGCも獲得しています。

成功要因は、売り込みから入らず、参加しやすい体験を入口にしたことです。

参考:1000件超の資料請求でCPA改善!LIXILの新商品プロモーション事例

成功事例2:終活・相続サービス|広告感を抑えた施策で累計200件超のCVを獲得

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「終活と相続のまどぐち」が抱えていたのは認知不足ではありません。終活や相続は必要性を感じても「まだ自分には早い」と先送りされやすく、身元保証や死後事務といったサービス名で検索する人も限られます。

中心に据えたのは、広告感を抑えたアンケート型広告です。準備状況や不安を振り返る設問を用意し、回答する時間そのものを終活を考える機会に変えました。趣味人倶楽部に加えLINE広告とMeta広告へ配信を広げ、合同セミナーの録画はナーチャリング用に再活用しています。

成果は資料請求や来店予約を含む累計200件超のCV。セミナーには約40名の申込があり、うち5名が来店に至りました。

顕在層を探すのではなく、動いていない潜在層に自分ごと化のきっかけを渡した設計が成功要因といえます。

参考:終活・相続業界で200件超のCVを獲得── 媒体社ではなくCMOと評されたデジタルマーケティング支援

成功事例3:シニア向け住宅|デジタル広告で目標数2.5倍を達成

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サービス付き高齢者向け住宅「ふれあいの杜 さがみ湖」は、折込チラシなどの紙媒体を中心に集客していましたが、資料請求も見学もない月がありました。背景にあったのは、入居対象者はアナログだろうという運営側の思い込みです。

着手したのはチャネル変更ではなくターゲットの整理でした。年齢や資産、エリアの条件を具体化して「今すぐ層」と「そのうち層」を分け、施設名で検索する顕在層にはリスティング広告、潜在層にはアンケート型広告を配分。LPも「行ってみたい」と感じてもらう内容へ改修しました。

同エリアで5年以内に住み替える可能性のある世帯は約1万2,000世帯と推計されています。この対象整理をもとに施策を配分した結果、目標の2.5倍の見学数を達成しました。

チャネルを年齢で判断せず、検討期間の長さという行動特性から施策を選んだことが成果を支えました。

参考:アナログ施策に限界を感じたシニア向け住宅が、シニア特化のデジタル広告で目標数2.5倍を達成するまで

成功事例4:補聴器|コミュニティ×リアル体験で心理的ハードルを下げる

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補聴器は、聞こえにくさを自覚してから購入までに時間がかかる商材です。ソノヴァ・ジャパンの事例では、顧客の状態を不調層・支障層・関心層・検討層の4段階で整理。行動を止めるのは情報不足ではなく、「まだ大丈夫」「目立ちそう」という抵抗感でした。

設計したのは「きこえケア懇親会」。セミナーでも体験会でもなく懇親会と名づけ、同世代と話せる場という文脈をつくりました。補聴器ユーザーである公式アンバサダーが経験を語り、参加者が疑問をぶつけたうえで最新機種を試せる構成です。

2回のイベントでアンケート回答者の約9割からポジティブな反応が寄せられ、来店も複数発生。認知から購入まで平均4〜6年かかるとされるなか、1か月以内で購入した参加者も確認されました。

購入という最終行動ではなく、その手前にある抵抗感から逆算して体験を設計したことが成功要因です。

参考:補聴器におけるパーセプションチェンジを図るリアル体験イベントを支援

成功事例5:三越伊勢丹ニッコウトラベル|高単価商材でもCPA900円以下でCV獲得

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三越伊勢丹ニッコウトラベルが扱うヨーロッパのリバークルーズは価格帯が高く、広告を見てその場で申し込む商品ではありません。紙媒体中心だった接点をデジタルへ広げ、新規顧客に商品を理解してもらうことが課題でした。

活用したのはアンケート型広告ですが、設問の役割が他の事例とは異なります。通常5問程度に対し20問近くを用意し、回答しながら解説ページで得た情報を整理してもらう設計にしました。

なかには「セレナーデ号を紹介するとしたら誰に紹介したいか」という設問もあります。誰と行くか、誰が気に入りそうかを考えるうちに、遠かった船旅が自分の旅行として立ち上がる仕掛けです。多くの設問に付き合ってもらえるのも、可処分時間の長いシニア層ならではといえます。

成果は資料請求CPA900円以下。旅行説明会への参加にもつながり、高単価商材でのリード獲得を実現しています。

興味関心が合致する場所で接点をつくり、いきなり購入を求めなかったこと。これが成果を後押ししました。

参考:高単価商材にてCPA900円以下でCV獲得! ~三越伊勢丹ニッコウトラベル プロモーション事例~

シニア×終活・相続・住まいなどの成功例をさらに詳しく知りたい方は、事例資料もあわせてご覧ください。

成功事例からわかるシニアマーケティング5つの成功ポイント

5つの事例は、商材も施策も同じではありません。共通していたのは、顧客が次の行動へ進まない理由を突き止め、そこを解消する体験を設計した点です。自社で再現できるポイントを整理します。

1. 年齢ではなくインサイトからターゲットを理解する

出発点は媒体選びではなく顧客理解です。年齢や性別に加え、何に困り、何を避けたいと感じ、何を実現したいのかまで把握します。有効なのは、定量アンケートとデプスインタビューの組み合わせ。資料請求後に契約しなかった層への調査からは、購入を止めている障壁が浮かび上がります。

2. 商品を売る前に「自分ごと化」するきっかけを作る

終活や住宅、補聴器のような商材では、必要性を感じてもすぐには動きません。企業から「あなたには必要です」と言われるほど、押し付けられた印象が残ります。 そこで働くのが、アンケート、診断、記事、セミナー、イベントといった、まず関心を持ってもらうための入口です。何を想像してもらえば行動が近づくのかは、商材によって変わります。

3. 潜在層から顕在層まで顧客フェーズを分けて施策を設計する

認知、興味関心、情報収集、比較検討、問い合わせという流れに沿って、フェーズごとに接点を用意します。

フェーズ 適した接点 見るべき指標
潜在層 記事、SNS、動画、アンケート 閲覧数、読了率、回答率
準顕在層 診断、資料、セミナー、事例 資料請求、セミナー申込
顕在層 SEO、検索広告、LP 問い合わせ、相談予約
購入直前層 相談、見学、体験、電話 商談数、成約率

潜在層向けの施策に契約単価のCPAだけを求めると、役割と評価がかみ合わなくなります。

4. デジタルとリアルをターゲットに合わせて組み合わせる

Web広告やメールなどのデジタル施策と、イベントや相談会といったオフライン施策は対立しません。紹介した事例でも、アンケートからセミナーへ、検索広告から施設見学へと橋を架ける設計が見られました。判断基準は「シニアにどの媒体が効くか」ではなく、「この顧客はどの心理段階にいて、どの接点なら次へ進めるか」です。

5. 売り込みではなく、信頼関係をつくる

健康、介護、終活、金融、住宅のように人生への影響が大きい商材ほど、短期間で決断を迫る施策は逆効果になりがちです。体験談、専門家の解説、コミュニティ、無料の体験機会など、判断材料を継続的に提供する姿勢が信頼につながります。

自社でシニアマーケティングを成功させるための進め方

ここまでの成功ポイントを実務へ落とし込むために、着手する順番を3つのステップで整理します。

STEP1:顧客を知る

最初の作業は広告出稿ではなく、顧客の解像度を上げることです。既存顧客がいるなら、購入商品、単価、流入経路、検討にかかった日数を洗い出します。

そのうえでアンケートやインタビュー、ユーザーテストで実際の声を集めます。住宅なら「老後が不安だった」で止めず、「階段がつらくなった」「車を手放して買い物が不便になった」という、検討のきっかけとなった出来事まで掘り下げると、伝えるべき言葉が見つかります。

STEP2:顧客フェーズに合わせて接点を作る

顕在層にはSEO、検索広告、LPを用意します。準顕在層や潜在層には、アンケート、記事コンテンツ、資料、セミナー、イベント、コミュニティが有効です。問い合わせの前後では、メールやLINE、電話によるフォローとナーチャリングが効いてきます。

意識したいのは、次の一歩を小さく保つこと。記事から診断、診断から資料と刻めば、心理的な負担は軽くなります。

STEP3:施策を検証して改善する

広告のCV数だけでは改善点までは見えてきません。どの訴求が響いたか、どの属性が反応したか、どこで離脱したかまで分解します。クリック率は高いのに読了率が低ければ、手を入れるべきは広告ではなくページ側です。得られた反応を再びインサイト理解へ戻し、調査から検証までを一つのサイクルとして回すことが、成果を積み上げる近道です。

まとめ

シニアマーケティングの成功事例に共通しているのは、シニア向けの媒体を使ったことではなく、顧客理解を起点に施策を設計している点です。

ターゲットを一括りにしない、潜在層の自分ごと化を促す、顧客フェーズに合わせて接点を作る、デジタルとリアルを適切に使い分ける。この4点が、商材の違いを超えて成果を支えていました。

成功事例をそのまま模倣しても同じ結果は得られません。自社の顧客インサイトと商材特性に合わせて施策を組み直すことが出発点になります。

シニアマーケティングならオースタンス

オースタンスは、会員42万人のシニア向けコミュニティ「趣味人倶楽部」の運営と、シニア領域での調査・マーケティング支援で培った知見をもとに、企業のシニアマーケティングを支援しています。

強みは「顧客理解」「一気通貫」「会員基盤」の3点です。シニアインサイト調査やアンケート・インタビューから、事業・マーケティング戦略の設計、広告・プロモーション、コミュニティ活用、イベント、UI/UX、デジタルマーケティングまで一貫して伴走します。

本記事で紹介したLIXILをはじめ、終活・相続、シニア向け住宅、旅行、補聴器など、支援領域は多岐にわたります。

「シニア向け施策を行っているが成果につながらない」「シニアのニーズをどう調査すればよいかわからない」「新たにシニア市場へ参入したい」といった課題をお持ちであれば、施策の実行前、顧客を理解する段階からご相談いただけます。

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