2023.07.21

【高齢者向けビジネス】高齢者市場の特徴やマーケティング課題、新規サービス事例について解説!

近年、超高齢社会へと突入している日本において、企業の需要が高まり続けているのが「高齢者市場をターゲットとした新規事業」です。医療や介護だけではなく、食料・家具・不動産・被服・教育・娯楽・交通・通信・金融・農業など幅広い産業がシニア向けサービスを展開されることが予想されます。海外と比較しても日本は高齢化の分野において、世界の最先端的存在であり、アメリカや中国などこれからの高齢化を迎える諸外国のロールモデルになっていくことはほとんど間違いありません。実際に、シニアビジネスに関する論文も近年増えてきています。

少子高齢化による高齢者人口の増加にともない、日本国内で製品開発やサービスを展開する企業にとって「シニア市場規模」は年々拡大し続けています。

多くの企業がシニア市場へ参入していて、ビジネスとしては比較的レッドオーシャンの状態とは言えますが、シニア層のインサイトや本質を掴みきれていない企画・広告を打ち出す民間企業も依然として少なくなく、チャンスは大いに見込めることでしょう。未だ確立された高齢者向けのビジネスモデルは見つかっていないのです。

ここでは、国内最大級のシニア向けコミュニティメディアを軸に展開しているオースタンスの知見を活かし、今後の高齢者市場を対象とした新規事業のあり方について解説していきます。

高齢社会の特徴

シニアの定義

「シニア」と「高齢者」は似た言葉でありますが、それぞれが何歳のことを指す言葉なのか知らない人も多いのではないでしょうか。その要因は、業界や場所にとって年齢の定義が異なるからだと考えられます。 国連では「シニア」のことを60歳以上と定めている一方、WHO(世界保健機構)では65歳以上 と定められています。そして、65歳から74歳までを前期高齢者、75歳以上を後期高齢者としています。

下記の図は、何歳以上の方が「シニア」だと思うか、という調査を年齢別に見たデータです。

出典:リサーチ・アンド・ディベロプメント

20代から50代までは、シニアのことを平均で63歳ぐらいと答えています。60代に差し掛かるとシニアだと認識する年齢は一気に上がり始めます。
このことから、70代ぐらいになると自他共にシニアを認めることが分かります。

高齢者による行動のIT化が加速し、アクティブシニア増加

 「アクティブシニア」とは、定年退職後や還暦後も、趣味やさまざまな活動に意欲的で元気な高齢者 のことを指します。こちらのアクティブシニアを対象とし、博報堂シニアビジネスフォースと大人世代のSNS「趣味人倶楽部」を運営している弊社で、新型コロナウイルスの流行がアクティブシニアにどのような影響を及ぼしているかについて調査を行いました。本記事では、調査結果の一部をご紹介します。

昨今、猛威を振るった新型コロナウイルスに関する情報については、アクティブシニアの82.7%がインターネットから情報収集をしていることが分かりました。テレビ(93.3%)が最も多いですが、インターネットはそれに次ぐ二番目のメディアとなり、60代以上の方も積極的にインターネットを利用していることが分かりました。

高齢者向けビジネスとは

ビジネス分野・種類

ここからは、高齢者向けビジネスの分野を具体的に紹介していきます。
高齢者向けビジネスは、ニーズの高まりに連れてさまざまな分野が出てきています。
高齢者向けビジネスの分野を大きく分けると、「医療・医薬産業」「介護産業」「生活産業」の3つに分類することができます。

・医療・医薬産業
・介護産業
・生活産業

出典:みずほコーポレート銀行 産業調査部

医療医薬産業

高齢者は一般的に健康面での問題に直面する可能性が高く、それに対応するための医療・医薬産業が拡大しています。
高齢者向けのホームケア向けの医療機器や疾患や症状に対応した医薬品、健康管理を提供するヘルスケアサービスなどが挙げられます。

介護産業

高齢者の増加に伴い、介護サービスの需要も拡大しています。
老人ホーム、デイケア施設といった施設介護サービスや自宅で安心して生活できるよう、訪問介護や居宅支援サービス、歩行補助具などの介護用具・福祉用具などが挙げられます。

生活産業

高齢者向けマーケットで、急速に拡大しているのが食料・教養・娯楽に該当する生活産業です。
旅行、フィットネス、スポーツを中心に様々なビジネスが台頭しており、健康維持をサポートするための健康食品。栄養補助食品も支持されています。

高齢者向けの新規ビジネス/マーケティングについて

高齢者市場の特性

出典:高齢化の推移と将来推計(内閣府)

内閣府が公表している、高齢化の推移と将来推計によると 2025年には65歳以上が総人口の30%となり、2040年に35%になる と予測されています。
ここからもわかるように、「高齢者市場」には巨大なビジネスチャンスが存在していると言えます。しかし、一口に「高齢者」とは言っても、お客さまの層は様々。65歳の方もいれば、90歳を超える方もいます。

また、インターネットが普及したことで、生活レベルや健康状態は以前よりも多種多様になっており、3500万人のシニアを「ひとつ」に括るのは危うい考え方です。新規事業を成功させるためには、高齢者の中でも「購買意欲の高い層」をターゲットにしなければなりません。こうした層こそが、アクティブシニアと呼ばれるのです。

つまり、高齢者市場での新規事業を成功させるには、「高齢者・シニア」を広く捉えず、どの層にアプローチするのかを明確にさせ、アクティブシニアの消費動向や特徴などを理解することが重要なのです。

高齢者向けの新規事業/マーケティングにおける課題

「高齢者・シニア」を適切な捉え方で見つめたうえで大切になるのが、ターゲット顧客のペルソナを設計・リサーチすることです。
そして、シニアの悩みや困りごと、ニーズなどの「インサイト」を正しく把握した上で、商品企画やマーケティングの企画を実施する必要があります。

「高齢者」を一括りにせず、事実をしっかりと見つめた上で、適切な施策を投下していくことが重要です。
そのため弊社では、シニアの状況を捉える「定量調査」と「定性調査」といった2パターンでのリサーチサービスを展開しています。

「定量調査」とは、36万人を超える趣味人倶楽部のユーザーさまに対してアンケートを実施することで、シニア層が持つインサイトを明らかにするものです。
過去には「シニア層が持つスキンケアへの興味」や「シニア層が持つ運動習慣についての関心」といったトピックの調査をおこないました。その結果、新商品開発のヒントにつながったり、イベントやレッスンの実施につながったりと、様々な形で企業さまのお力添えをしてまいりました。

「定性調査」とは、趣味人倶楽部のユーザーさまに対して「デプスインタビュー」をおこない、生の声や背景、考え方などをより深掘っていく調査です。過去には「ファッションセンスの高いシニア女性がどんなバッグを求めているのか」という題目でユーザーさまにインタビューをおこないました。その結果、自由回答ではなかなか得られにくいような深い部分まで掘り下げた意見を集めることができ、クライアントさまが持つコンテンツのブラッシュアップにお力添えすることができました。

わたしたちは、シニア層の動向やニーズを「マクロ視点(定量調査)/ミクロ視点(定性調査)」といったふたつの視点で見つめ、調査し、クライアントさまのお力になれればと考えています。ぜひ一度、お問い合わせフォームよりご連絡くださいませ。

高齢者向け新規ビジネス事例

セコム株式会社

出典:セコム・ホームセキュリティ

セコム株式会社は、急病やケガなどの際に、救急通報で駆けつけるものから、ゆるやかに見守ることができるというニーズに応えることができる見守りサービスを展開しています。
急病やケガなどの際に握るだけでセコムに救急信号を送ることができる「マイドクター」やコミュニケーションを通して見守りを行う「あのね」等があります。
セコムさんは、高齢者に直接アプローチするわけではなく、高齢者を親に持つ子世代にアプローチする訴求をとることによって、市場全体のシェアを確立しました。
実際にサービスのランディングページには「親御さんについてこんなお悩みはありませんか?」という訴求が記載されています。

NTTファイナンス株式会社

出典:楽くらライフノート

NTTファイナンス株式会社は、終活で直面する様々なお悩みを解消するエンディングノートアプリを展開しています。
資産と家計を簡単整理でき、家族との情報共有・見守りをすることができます。終活をやっておけばよかったという後悔よりもやっておいてよかったという安心した状態を作るために、ニーズに応じたサービス開発に取り組み、リリースから2年待たずして6万件ダウンロードされています。
実は弊社が本サービスのUI/UXエキスパートレビューを担当させていただき、中高年・シニア世代の視点を踏まえ、オンボーディングや主要画面の改善を行いました。
チュートリアル設計や、アクションの明示など、中高年視点と実装観点を考慮したレビューを実施しました。

36万人のシニア・中高年が在籍する趣味人倶楽部について

趣味人俱楽部とは

趣味人倶楽部とは、 50~70代を中心とした月間3,000万PV、115万UUを誇る「おとな世代」向けのSNS です。

毎月、約1,600回のリアルイベント、約100回のオンラインイベントが開催されていて、旅行・カメラ・ゴルフ・カラオケ等で交流するアクティブ層が多いのが特徴です。

現在は新型コロナウイルスの感染拡大もあり、オフラインの交流だけでなく、オンラインでの交流・イベントがとても多くみられています。
また、ECによる購買活動にも積極的なユーザーが多く、会員さまの半数以上が、月に5,000円以上のネット決済をおこなっているというデータがあります。

弊社株式会社オースタンスは趣味人倶楽部の利用者に対して定期的なアンケート調査や、年間200〜300回のインタビューを行なっています。そこで得られた情報を上の画像に記載しています。

趣味人倶楽部の利用者を見ると、会員の約40%が4半期に1回以上、「国内旅行」をするなど旅行への関心が高く、アクティブシニアの方が多いのが特徴です。また、不安なく日常を過ごせるように健康意識を高く持った方も多い傾向にあり、お金と時間にゆとりがある比較的富裕層に近い方が多くみられるのが特徴的です。居住地も日本の人口分布と同様であり、都会が多く地方や田舎が少なめになっております。

趣味人俱楽部を活用した事例

アートネイチャー|大人女性の美容イベントプロモーション

商品の関心度向上&来店・購買促進とコミュニケーション施策の検証を目的として、大人女性の髪型・メイク診断講座を実施した事例です。
結果として250名以上の方が参加し、イベント満足度98%かつ申し込み件数が想定の3倍の効果という結果になった施策です

まとめ

どのような高齢者ビジネスを企画したとしても、次に必ず課題としてやってくるのが、「どうやってターゲットにアプローチするのか」「そもそも高齢者にニーズがあるのか」ということです。新規事業開発において、アクティブシニアの消費動向や特徴などを理解しておくことはとても重要になります。

これまでオースタンスが培ってきた知見や経験に基づき、事業における企画段階の参画から、具体的な施策のモニターや実験まで、様々な局面で事業開発のお手伝いをさせていただいております。また豊富なネットワークを生かし、アライアンスのご提案も可能です。

弊社はITを活用してシニア、お年寄りの方に生きがいやポジティブな変化を生み出し、「エイジングエネルギーあふれる社会」の実現をミッションに掲げるベンチャー企業です。弊社とともに「エイジングエネルギーあふれる社会」の実現を目指していただける企業様とご一緒にお取り組みができますと幸いでございます。

シニアDXラボ|シニア向け専門メディア

趣味人倶楽部を運営する株式会社オースタンスが保有するシニアの行動データや課題解決の知見を元に、シニアの研究をする専門家に参画いただき、共同で研究を推進します。シニア世代へのマーケティング活動のノウハウや、調査結果や行動特性の研究内容、リサーチ資料などを展開しているので、興味がある方はこちらからご確認ください。

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