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公開日: 2023.07.10
更新日: 2026.01.14
「シニア」とは、何歳からを指すのでしょうか。
この問いに対する答えは一律ではありません。
一般に65歳以上が目安とされる一方で、制度や文脈によって対象は変わります。
定義の見直しに関する議論も進んでいるのが現状です。
いまや65歳以上は人口の約3割を占めています。
さらに60代ではインターネット利用が9割前後に達し、利用機器もスマートフォンが中心となりました。
「シニア=デジタルに弱い」という先入観は、一部では当てはまりにくくなっています。
本記事では、シニアの定義や年齢イメージ、タイプ別の特徴、そしてデジタル事情までをわかりやすく解説します。

結論から言うと、「シニア=何歳から」と一律に決められた基準はありません。
一般的には65歳以上を目安に扱われるケースが多い一方で、制度や調査、企業の設計目的によって対象年齢は変わります。
さらに特徴的なのが、「本人がシニアだと感じる年齢」と「周囲がシニアだと思う年齢」にギャップが生まれやすい点です。
ここでは、シニア・高齢者の定義の代表例、年齢イメージの実態、そして定義が変化してきた背景を整理します。
シニアには統一された年齢基準が存在しません。
時代や組織によって定義が異なるためです。
ただし、多くの場面で65歳以上を一つの目安としています。
世界保健機関(WHO)は、65歳以上を高齢者と定義しています。
日本の「高齢者の医療の確保に関する法律」でも同様に、65歳以上を高齢者と定義しているのです。
<日本の法律による区分>
・前期高齢者:65〜74歳
・後期高齢者:75歳以上
一方、日本老年学会などは新たな区分を提言しています。
<日本老年学会の提言による区分>
・准高齢者:65〜74歳
・高齢者:75〜89歳
・超高齢者:90歳以上
この提言の背景には、「高齢者」の定義を75歳以上に引き上げるべきという考えがあります。
実際の意識調査でも、「高齢者は75歳以上」という結果が出ています。
医学の進歩や生活環境の変化により、高齢者像は変わりつつあるといえるでしょう。
「自分はまだ高齢者ではない」と感じる人が多いのも、現代の特徴です。

出典: 株式会社クロス・マーケティング
シニアと聞いてイメージする年齢は、世代によって異なります。
調査によると、全体の平均は62.7歳という結果でした。
「高齢者」は70.6歳、「お年寄り」は72.5歳、「老人」は74.4歳がイメージされる平均年齢です。これらと比較すると、「シニア」はより若い年齢から使われる言葉だとわかります。20代から50代の人は、平均63歳程度をシニアと認識しているようです。
ただし、シニア本人の感覚は異なります。

実際に何歳以上を「シニア」だと思うか 、という調査を年齢別に見たデータがこちらです。
こちらの調査では、60代より上の世代の方は、シニアを62.7歳よりもっと高い年齢だと意識しているのがわかります。
特に70代以降の方は、「自分の年齢」と「シニアだと思う年齢」にほとんど差を感じなくなっています。
興味深いデータもあります。敬老の日を祝われる対象は平均73.7歳と捉えられています。
しかし、実際に初めて祝われた年齢は平均63.1歳でした。
本人の意識と周囲の認識には、約10歳の差があるといえるでしょう。
70代以降になると、「自分の年齢」と「シニアだと思う年齢」の差はほとんどなくなります。
70代頃から、自他ともにシニアと認識するようになるのです。
シニアや高齢者の年齢基準は、定年制度や法改正の影響を受けながら変化してきました。
日本で定年制度が導入された1940年代後半、定年年齢は55歳が一般的でした。
その後、1998年の労働基準法改正により60歳未満の定年制が禁止され、60歳定年が標準となります。
さらに2006年には高年齢者雇用安定法が改正されました。
65歳までの定年延長や継続雇用が促進され、高齢者の働く場は広がっています。
こうした背景から、2017年に日本老年学会と老年医学会は「高齢者の定義を75歳以上に見直すべき」と提唱しました。
医学の進歩により「現代の75歳は昔の65歳に相当するほど若い」とも指摘されています。
一方、シニアという言葉が浸透し始めたのは2000年代初頭です。
映画館の「夫婦50割引」の成功や、2005年頃から高齢者向け招待券に「シニア」の語が使われ始めたことが、浸透が進んだ背景として挙げられます。
現在では「シニア=高齢者」を意味する言葉として広く定着しました。
シニアといっても、健康状態や経済状況によってライフスタイルは大きく異なります。
マーケティングでは、年齢だけでなく属性の違いに着目した分類が有効です。
ここでは、シニア層を4つのタイプに分けて解説します。

<シニア世代の4分類>
①アクティブ・シニア
年齢にとらわれず、趣味や仕事に意欲的で健康意識が高い活動的な生活者
②ディフェンシブ・シニア
活動意欲はあるものの、年金収入が主で消費には慎重な姿勢をもつ生活者
③ギャップ・シニア
介護は不要だが、「やりたいこと」と「できること」のギャップに悩む生活者
④ケア・シニア
家族やヘルパーなど介護・医療を必要とする要支援・要介護状態の生活者
アクティブ・シニアとは、60歳を超えても趣味や仕事に意欲的で、健康意識が高く活動的なライフスタイルを送る方々です。
<主な特徴>
・時間と経済面に余裕があり、積極的に行動する
・健康志向で、体力づくりや新しいことにも前向き
・子育て終了や定年退職で自分の時間が増え、社会とのつながりを求めている
情報収集はテレビや新聞が中心ですが、スマートフォンを所有しインターネットも活用しています。
行動範囲が広く交友関係も豊かなため、クチコミも有力な情報源となるでしょう。
消費意欲が旺盛で、旅行・レジャー・趣味・健康関連商品など幅広い分野で消費活動を楽しんでいます。
ディフェンシブ・シニアとは、活動意欲はあるものの消費に慎重な姿勢をもつシニア層です。
<主な特徴>
・健康で時間にも余裕がある
・収入源は年金が主である場合が多い
・大きな出費はできるだけ控える傾向がある
シニア4分類の中で人口規模が最も大きい層といわれています。
消費は日々の生活必需品や身の回りのものが中心です。
近年スマホ利用者は増えてきたものの、デジタルに苦手意識を持つ人も一定数います。
将来への不安や経済的理由から様々な心配を抱えがちなため、安心感を与えるコミュニケーションが有効でしょう。
ギャップ・シニアとは、「やりたいこと」と「できること」のギャップが生じ、我慢や諦めが増えているシニア層です。
<主な特徴>
・現時点で介護は不要だが、腰痛・関節痛など加齢に伴う不調を抱えている
・無職で年金収入のみの方が多い
・年齢層は75〜84歳が中心
健康面の不安から通院している人が多いのが特徴です。
消費活動は食品や衛生用品など生活必需品が中心で、趣味嗜好品への出費は少なめとなっています。
情報源はテレビ・ラジオ・新聞折込チラシが主流で、デジタルよりアナログ媒体のほうが届きやすい層といえるでしょう。
ケア・シニアとは、一人で日常生活を送ることが困難で、介護・医療を必要とする要支援・要介護状態のシニア層です。
<主な特徴>
・製品やサービスは利用するが、購入の最終決定者は本人でない場合が多い
・収入は年金のみ
・公的サービスや制度変更など行政の影響を受けやすい
自ら積極的に商品を探して消費することは少なく、消費内容も身の回りの必需品や介護用品が中心です。
この層をターゲットにする場合、実際に購買の意思決定をするのは家族など別の世代であることが多いでしょう。
「生活が楽になる」「自宅で楽しめる」といった、本人と介助者双方にメリットのある訴求が効果的です。
シニア世代のデジタル活用は年々拡大しています。
総務省の調査によると、60代のインターネット利用率は9割を超えました。SNS利用率も上昇傾向にあり、70代でも6割以上が利用しています。
ネットショッピングについても、オンライン購入が一般化しつつあるのが現状です。
ここでは、シニア世代のインターネット・SNS・ネットショッピングの利用状況を詳しく解説します。

出典: 総務省「通信利用動向調査」
シニア世代のインターネット利用率は、年々上昇しています。総務省「令和5年通信利用動向調査」によると、各年代の利用率は以下のとおりです。
<年代別インターネット利用率(令和5年)>
・50〜59歳:97.2%
・60〜69歳:90.2%
・70〜79歳:67.0%
・80歳以上:36.4%
令和4年から令和5年にかけて、60代から69歳は+3.4ポイント、80歳以上も+3.2ポイントと上昇しました。
50代後半から60代は、すでに「オンライン前提」で接点設計が可能な層といえるでしょう。
利用機器についても注目すべきデータがあります。
70代から79歳でもスマートフォン利用が76.0%と高い水準です。
シニア向け施策では、スマホ中心の情報設計(文字サイズ・導線・操作回数の少なさ等)がポイントとなります。

出典: 総務省「通信利用動向調査」
シニア世代のSNS利用率は、直近で伸び率が高くなっています。
総務省「令和5年通信利用動向調査」では、SNS利用状況を「インターネット利用者に占める割合」として集計しています。
<年代別SNS利用率(令和5年)>
・50〜59歳:83.7%
・60〜69歳:76.7%
・70〜79歳:66.6%
・80歳以上:52.6%
60代・70代ともに前年から上昇しており、シニア層でもSNSは主要な接点になりつつあります。
利用目的を見ると、「従来からの知人とのコミュニケーション」が87.2%で最も高い結果でした。
「知りたいことについて情報を探すため」も63.4%と高水準です。
シニア向けのSNS施策では、拡散狙いの話題化よりも「安心して読める説明」や「生活に役立つ情報提供」の設計が成果につながりやすいでしょう。

シニア世代でもネットショッピングは一般化しています。
「趣味人倶楽部」会員(45歳以上)を対象とした調査では、96.2%がネットショッピングを利用しているとの結果が出ました。
※本調査は趣味人倶楽部会員を対象としたもので、シニア全体の傾向とは異なる場合があります。

<月々の利用金額>
・月1〜3万円:30.6%
・月3万円以上:17.4%
多くの人が月1〜3万円程度を利用しており、日常的にオンラインで買い物をしていることがうかがえます。

<ネットショッピングのメリット(複数回答)>
・簡単で手間が掛からない:74.0%
・いつでも注文でき、すぐ届く:73.6%
・重いものを持ち運ばずに済む:54.3%
「重いものを持ち運ばずに済む」点は、シニア世代ならではの評価ポイントといえるでしょう。
実店舗にはないオンライン特有の利点が支持されています。
◇この資料でわかること
・シニアのデジタル利用に関するレポート
・シニア世代のデジタルギフト/デジタルデバイス需要
無料ダウンロード:[シニアのデジタル利用実態調査]
趣味人倶楽部は、45歳以上を対象とした中高年・シニア向けコミュニティサービスです。
2025年12月時点で会員数42万人を突破し、月間3,000万PVを誇る国内最大級のシニア向けSNSとして運営されています。
<趣味人倶楽部の基本情報>
・対象年齢:45歳以上
・会員数:42万人以上
・月間PV:3,000万PV
・主な利用者層:50〜70代
・特徴:匿名制・趣味を軸につながる
主な機能は「日記・フォト」「コミュニティ」「イベント」の3つです。
趣味を起点に匿名でつながり、オンライン上の会話だけでなく対面交流も活発に行われています。
コミュニティ数は35,000、月間約1,600回のイベントが開催されており、年間10万人がイベントに参加するなど高いエンゲージメントが特徴です。
利用者の多くは、子育てや仕事が一段落したタイミング、あるいは定年退職前後に「同世代の新しいつながり」や「趣味の仲間」を求めて入会する傾向があります。
趣味人倶楽部では、イベントやコミュニティを通じて"体験"を起点に交流が始まる設計となっており、オンラインの会話からリアルな集まりへと発展しやすい点も魅力です。
オースタンスは、「趣味人倶楽部」の運営知見とデータを活かし、企業のシニア向けマーケティングや事業開発を支援する会社です。
シニア・中高年向け施策に注力する企業から、年間約1,000件の問い合わせを受けています。
<オースタンスの支援領域>
・定量調査・定性調査
・UI/UX調査
・事業開発サポート
・広告・プロモーション支援
・共同コンテンツ制作
支援は広告・集客だけにとどまりません。
調査・検証から施策設計、グロースまでを一気通貫で対応する体制を整えています。
また、趣味人倶楽部では広告出稿や共同コンテンツ制作も受け付けており、媒体活用と調査・コンテンツを組み合わせた設計が可能です。
シニア世代は「自己認識」「ライフスタイル」「価値観」に大きな変化が起きており、10〜20年前とは行動原理が異なります。
現代のシニアがどのようなインサイトを持っているか分析することが、効果的なマーケティング施策や事業戦略を考えるうえで欠かせません。
シニア向けの調査・リサーチを検討している方は、国内最大級のシニアSNS運営で培った経験と実績を持つオースタンスにご相談ください。
本記事では、シニアの定義や年齢イメージ、シニア世代の種類と特徴、デジタル事情について解説しました。
「シニアとは何歳からか」は、一律に決まっていません。
行政や研究では65歳以上を基準にするケースが多い一方、75歳以上を高齢者とみなす提言もあります。
当事者の自己認識も含めて幅があるのが現状です。
人口動態として高齢化が進んでいる点は明確といえるでしょう。
日本の65歳以上人口割合は2025年時点で約3割で、将来推計では2055年頃に4割前後に達するシナリオも示されています。
つまり、これからのシニア市場は「年齢で一括り」では捉えきれません。
インサイト・生活文脈・デジタル接点まで含めた設計が求められます。
年齢だけに頼らず、実態データをもとにシニア像を捉え直すことが、効果的なマーケティング施策につながるでしょう。
シニアDXラボは、シニアマーケティングに特化した研究メディアです。
趣味人倶楽部の運営で蓄積したシニアの行動データや知見をもとに、専門家と共同で研究・提言を行っています。
シニアの実態理解からUI/UX、コンテンツ設計、マーケティング手法まで、調査レポートやノウハウ資料を公開中です。
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