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公開日: 2026.07.10
更新日: 2026.07.10
終活ビジネスに取り組む企業の中には、「市場は伸びそうなのに、問い合わせが増えない」「リスティング広告のCPAが高騰している」「資料請求やセミナー参加は取れても、相談・来店につながらない」と感じている方も多いのではないでしょうか。
終活は、葬儀、相続、身元保証、死後事務、不動産売却、保険、シニア住宅など、幅広い領域と関わるテーマです。一方で、生活者にとっては重く、すぐに行動しづらいテーマでもあります。そのため、単に「終活しませんか」と訴求するだけでは、十分な成果につながりにくいケースがあります。
この記事では、終活ビジネスの成功例をもとに、シニア層を動かすための集客・訴求・サービス設計のポイントを解説します。成功例をそのまま真似るのではなく、自社の商材に合わせて何を設計すべきかを整理していきます。
【アーカイブ配信】〜終活サービスの成功事例から学ぶ〜リスティングでは取れない…“動かないシニア”を動かしたCPA改善事例】

終活ビジネスで成果を出している事例に共通するのは、いきなり商品やサービスを売り込まないことです。
終活は、必要性を感じていても「まだ早い」「何から始めればいいかわからない」「家族と話しづらい」といった心理的なハードルが生まれやすいテーマです。その状態の人に、いきなり相談予約や来店予約を求めても、行動につながらないことがあります。
そこで重要になるのが、相談、診断、セミナー、資料請求、アンケートなど、心理的な負担が小さい入口です。たとえば「終活の無料相談」よりも、「家族に迷惑をかけないための準備セミナー」や「終活の始め方がわかる資料」の方が、一歩目として受け入れられやすい場合があります。
つまり、終活ビジネスの成功には、顧客に「売られている」と感じさせるのではなく、「自分に関係がありそう」「少し知っておきたい」と自然に思ってもらう設計が欠かせません。
終活ビジネスが注目される背景には、高齢化、シニア市場の拡大、シニア層のデジタル化があります。
終活関連サービスの対象は、いわゆる高齢者だけではありません。親の介護や相続を考え始める子世代、定年退職前後で今後の暮らしを考える中高年層、配偶者や家族の将来を見据えるシニア層など、関係者は幅広く存在します。
また、シニア層を「デジタルが苦手」と一括りにするのは適切ではありません。年代や生活環境によって差はありますが、スマートフォンやLINE、検索、SNSを日常的に利用する人も増えています。終活ビジネスでも、チラシや新聞広告だけでなく、検索広告、SNS広告、オンラインセミナー、LINE、メールなどを組み合わせた設計が重要になっています。

終活ビジネスでは、今すぐサービスを探している人だけを狙うと、獲得数が伸びにくくなることがあります。
リスティング広告は、すでに検索している顕在層に接触できる有効な手段です。しかし、終活領域では「今すぐ葬儀社を探している」「すぐに身元保証を申し込みたい」「今月中に終活相談へ行きたい」という人は限られます。
一方で、「そのうち考えたい」「気にはなっているが、まだ具体的には動いていない」という層は多く存在します。こうした層は、まだ検索行動をしていないため、リスティング広告だけでは接点を持ちにくいのです。
そのため、終活ビジネスでは、今すぐ層を刈り取る施策と、そのうち層に早めに接点を作る施策を分けて考える必要があります。
終活は、生活者にとって必要性を感じやすい一方で、向き合うのにエネルギーが必要なテーマです。
たとえば、「家族に迷惑をかけたくない」と思っていても、葬儀、相続、住まい、保険、身元保証など、考えることが多すぎると行動が止まりやすくなります。また、「失敗したくない」「営業されたくない」「まだ自分には早い」と感じる人もいます。
ここで重要なのは、不安を過度に煽ることではありません。むしろ、安心して学べる場や、気軽に情報収集できる入口を用意することが大切です。終活ビジネスでは、顧客の不安を刺激するよりも、「わかりやすく整理する」「相談しやすくする」「段階的に検討できるようにする」ことが成果につながります。

1つ目は、葬儀相談サービスの事例です。成功のポイントは、葬儀社として直接売り込むのではなく、中立的な相談窓口として見せている点です。
葬儀は、多くの人にとって頻繁に経験するものではありません。何を基準に選べばよいかわからず、費用や対応への不安も生まれやすい領域です。そのため、いきなり特定のサービスを勧めるよりも、「まず相談できる場所」として接点を作る方が、信頼を得やすくなります。
また、電話や対面で丁寧に話を聞き、本人や家族が言語化できていない希望を整理することも重要です。終活ビジネスでは、ユーザー自身も課題を明確に言葉にできていない場合があります。相談窓口型の設計は、その不明確なニーズを整理し、次の行動につなげるうえで有効です。
2つ目は、葬儀の早割を活用した事例です。
葬儀は、必要になるタイミングを本人がコントロールしにくいサービスです。そのため、今すぐ検索している人だけを待っていると、接点を持てる範囲が限られます。そこで、早めに申し込むほど割引を受けられる仕組みによって、「まだ具体的ではないが、いずれ必要になるかもしれない」という層と接点を作っています。
この事例から学べるのは、潜在層と早くつながる仕組みの重要性です。終活ビジネスでは、すぐに成約しない層を無理に動かすのではなく、早い段階でリードとして接点を持ち、必要なタイミングまで関係を維持する設計が求められます。
3つ目は、生前葬をPRによって身近なテーマに変えた事例です。
生前葬は、「元気なうちに家族や友人へ感謝を伝える」という前向きな意味を持つ一方で、「自分にはまだ関係ない」と感じられやすいテーマでもあります。そこで、テレビ番組とのタイアップなどを通じて、実際の体験や基礎知識をわかりやすく伝えることで、終活を身近な話題として届けています。
ここで重要なのは、広告色を強く出しすぎず、啓発コンテンツとして伝えている点です。終活ビジネスでは、商品説明だけではなく、「そもそも何を準備すべきか」「なぜ今考える意味があるのか」を伝えるコンテンツが、興味喚起につながります。
4つ目は、終活コンシェルジュサービス「終活のまどぐち様」の事例です。
終活のまどぐち様では、当初リスティング広告を中心に、直接の来店相談を獲得しようとしていました。しかし、終活・身元保証・死後事務といったテーマは、「今すぐ相談すべきかわからない」「専門家に相談する必要性がまだ腹落ちしていない」と感じられやすく、来店予約だけを成果地点にするとハードルが高くなります。
そこで、直接来店ではなく、終活セミナーを中間のCVポイントとして設置しました。趣味人倶楽部との共催セミナーとして、Meta広告やLINE広告などを活用して集客し、LP・バナー制作、会場手配、資料作成、当日の司会運営まで一気通貫で実施しました。
その結果、セミナーには約40名が参加し、満足度は80%を記録しました。さらに、セミナー参加で終わらせず、その後の個別来店相談への移行も高水準で獲得できました。
また同社とは、終活・相続・住まいをテーマにしたボードゲーム形式のイベントも実施しています。カードゲームを通じて参加者自身の価値観を可視化し、終活を「自分ごと」として捉え直してもらう設計です。住まい・住み替えという生活に直結するテーマと掛け合わせたことで、おひとり様層や住み替え検討層からの反応も得られ、身元保証・死後事務委任サービスへの関心接続にもつながりました。
5つ目は、終活領域そのものではありませんが、シニア向け商材に応用しやすい事例です。
ある美容商材では、商品名を前面に出すと「自分にはまだ早い」「ネガティブな印象がある」と受け取られやすい課題がありました。そこで、商品を直接訴求するのではなく、髪型やメイクの診断イベントとして集客し、体験の中で商品への認識を変えていく設計を行いました。
終活ビジネスでも同じ考え方が使えます。「終活相談」では重く感じられる場合でも、「家族に迷惑をかけない準備セミナー」「これからの暮らしを考える相談会」「相続・住まいの整理講座」のように、別の入口を作ることで参加しやすくなる可能性があります。
介護事業の集客では、Web施策と地域営業の両方を組み合わせることが軸になります。 ここからは、代表的な集客方法と、それぞれを動かすときのポイントを見ていきます。

「いい介護」が2025年に実施した実態調査では、介護施設探しで情報を収集した手段として「インターネット検索」が83.5%で最多となり、圧倒的多数の家族がWeb検索を情報収集の起点にしていることが明らかになっています。
ホームページは、利用者や家族、紹介元が施設を確認するときの基本情報源です。
掲載したい要素を整理すると、サービス内容、料金、対応エリア、スタッフ紹介、施設写真、空き状況、利用開始までの流れ、よくある質問、問い合わせ導線などが挙げられます。
SEO対策では、「○○市 デイサービス」「○○区 認知症 老人ホーム」のような「地域名+サービス名」「地域名+介護施設」「地域名+デイサービス」といった、検討段階の家族が打ち込むキーワードで見つけてもらえる状態を目指します。
ブログやコラムでは、施設選びの基準、認知症ケアの考え方、在宅介護の負担を減らす方法など、家族が抱える疑問に答える内容が効きます。書き続けるほどに、信頼の蓄積につながっていきます。
家族が読むことを前提に、専門用語は極力避け、写真や図解で理解を助ける設計を心がけたいところです。
「近くのデイサービス」「地域名+老人ホーム」とGoogleマップで検索された際、自社が表示されるかどうか。ここは地域集客で大きな差を生みます。
Googleビジネスプロフィールには、施設名、住所、電話番号、営業時間、写真、サービス内容、WebサイトURLを正確に登録し、定期的に最新化していきます。
口コミへの返信や写真の追加投稿を継続するだけでも、地域内で比較されたときの印象は変わります。
老人ホームや介護施設を探す家族は、複数施設を一覧で比較できるポータルサイトを使うことがあります。
掲載する際は、写真、費用、空室状況、対応可能な介護・医療条件、入居までの流れを充実させます。
他社と横並びで見られる場所だからこそ、自社の強みをどこまで具体的に書けるかが、選ばれるかどうかの分かれ目になります。
短期間で問い合わせを増やしたい局面では、リスティング広告やSNS広告が選択肢に入ります。
「地域名+老人ホーム」「地域名+デイサービス」のように利用意向の高いキーワードに広告を出稿し、クリック後のランディングページで対象者、料金、サービス内容、写真、見学予約フォーム、問い合わせボタンを提示する流れです。
広告費が発生する以上、問い合わせ単価や契約率を継続的に確認しながら、運用を見直していきます。
地域の新聞、フリーペーパー、情報誌への広告出稿は、Web検索をしない高齢者本人や近隣住民への認知獲得に役立ちます。
施設名を載せるだけでなく、介護相談会、健康教室、見学会といった、次の行動につながる入り口を案内すると反応を得やすくなります。
地域住民への認知拡大には、チラシやパンフレット、ポスティングが今も有効です。
チラシに盛り込みたい要素は、施設の特徴、対象者、サービス内容、料金目安、見学・相談の案内、電話番号、地図など。来館者やイベント参加者には手渡しで配り、その場で補足説明を加えれば理解が深まります。
施設写真、スタッフの笑顔、1日のスケジュール、利用開始までの流れ、利用者の声、施設のコンセプトまで掲載できると、利用後の生活イメージが伝わります。
「利用者募集」と前面に出すよりも、「介護相談会」「健康教室」「見学会」のように、参加しやすい入り口を見せるほうが反応を得やすい傾向があります。

ポスティングは、施設のオープン時やイベント開催時など、地域に広く認知してもらいたい場面で力を発揮します。
一度で効果が出るものではないため、国勢調査などの地域データを参考に配布エリアを選び、配布時期、配布枚数、反応数を記録しながら継続的に改善していきます。
介護事業の集客では、ケアマネジャーや地域包括支援センターとの関係構築が大きな比重を占めます。
定期的に訪問し、空き状況、受け入れ条件、最近の利用事例、向いている利用者像を伝えることで、紹介につながる関係が育っていきます。
ポイントは、一方的に営業するのではなく、紹介元が困っている場面を聞き出し、それに応える情報を届けることです。パンフレットや営業資料も、利用者向けと紹介元向けの2種類を用意しておくと、訪問時の会話が具体的になります。
退院支援や在宅復帰支援に関わる医療機関とのつながりは、有料老人ホームや医療対応型施設の集客で特に重みを持ちます。
病院の地域連携室やメディカルソーシャルワーカーは、退院後に自宅での生活が難しい方や、施設入所を急ぐ方と接点を持つ存在です。医療依存度、看取り、認知症、リハビリ、服薬管理など、対応できる範囲を具体的に伝え、空室情報や緊急時の連絡体制は常に更新して共有します。
受け入れ可能な条件が明確であるほど、紹介元は利用者へ提案しやすくなります。
| 営業先 | 施設の役割・特徴 | 営業時に伝えるべき情報 |
|---|---|---|
| ケアマネジャー (居宅介護支援事業所) |
在宅介護サービス利用者のケアプランを作成する、最も身近な紹介元 | ・最新の空き状況・空き曜日 ・受け入れ可能な要介護度、認知症などの症状・条件 ・具体的な解決事例(「こういう状態の利用者がこう改善した」など) ・連携のスムーズさ(報告の迅速さ、連絡の取りやすさ) |
| 地域包括支援センター | 社会福祉士や保健師が在籍する、高齢者や家族の総合相談窓口 | ・どのような悩みを持つ高齢者に向いているかという具体的な対象像 ・介護保険申請前後や、軽度(自立〜要支援)の方への対応力 ・地域住民向けの健康教室やイベントの開催情報 ・ワンストップで相談・対応できる体制の提示 |
| 居宅介護支援事業所 | ケアマネジャーが多数所属する、訪問介護やデイサービスの中心的な紹介元 | ・対応可能エリア、スタッフの稼働状況 ・自社ならではの強み(専門リハビリ職の有無、医療対応など) ・紹介元向けに作られた、A4一枚で条件がわかる営業資料・パンフレット |
| 医療機関 (地域連携室・ソーシャルワーカー) |
退院支援や在宅復帰、急な施設入所を必要とする方と接点を持つ | ・受け入れ可能な医療処置・依存度(胃瘻、インスリン、看取りなど) ・緊急時の受け入れ体制や、退院から入居までのスピード感 ・協力医療機関との具体的な連携体制 |
| 地域住民 (高齢者本人・近隣家族) |
将来の潜在顧客であり、直接の問い合わせや口コミの発生源 | ・「介護施設」という心理的ハードルを下げるアプローチ ・施設で開催する健康教室・認知症相談会・見学会の案内 ・1日のスケジュールや食事内容など、利用後のイメージが湧く写真付きチラシ |
介護サービスは、利用前の不安が大きい領域です。
見学会や体験利用、健康教室は、申し込み前のハードルを下げる役割を担います。デイサービスなら体験利用、有料老人ホームやサ高住なら見学会、地域向けには健康教室や交流会、というように、サービス種別に応じて使い分けていきます。
健康教室や交流会は、「介護施設」という心理的な距離を縮め、地域住民に親しみやすい場所として認知してもらうきっかけになります。
イベント後のお礼連絡、次回案内、見学や問い合わせへの導線。ここまで設計しておくと、関係が次のステップへ進みます。
SNSやブログは、施設の日常の雰囲気、スタッフの人柄、イベントの様子を伝える媒体として機能します。

LIFULL介護の調査では、老人ホーム探しで立地・金額以外に重視された条件の1位は「スタッフの質・雰囲気」でした。
写真や動画があれば、利用者や家族はサービス利用後のイメージを持ちやすくなります。
ただし、利用者の写真や個人情報を扱うときは、本人や家族の同意取得とプライバシー保護に細心の注意を払う必要があります。
SNSは単体で契約につながるというより、ホームページや見学会への導線として位置づけるのが現実的でしょう。
集客方法を実施するだけでは、成果は出ません。
自社の強みをターゲットに伝わる言葉へ変換し、営業、Web、見学対応を改善し続ける。この継続が、成果の差を生みます。
ケアマネジャーや医療機関への営業は、一度の訪問で関係が育つものではありません。
営業リストを作成し、紹介実績や反応の有無を分析しながら、反響が出やすい営業先へ重点的に接触していきます。訪問日、担当者、話した内容、次回アクション、紹介実績、空き状況の共有履歴を記録に残せば、属人的な営業から抜け出せます。
担当者が変わっても引き継ぎがスムーズに進むため、組織として営業力を積み上げていけます。
問い合わせへの返信が遅れる、電話対応がそっけない、見学時の説明が不十分。こうした小さな綻びが、それまでの集客努力を無駄にします。
問い合わせ時には、相談内容、希望時期、本人の状態、家族の不安、紹介元を丁寧に確認します。
見学時は、自社の強みを一方的に説明するのではなく、相手の悩みに合わせた案内に切り替えていきます。見学後のフォロー連絡まで含めて、対応の質を見直し続けることが、契約率の向上に直結します。
介護事業の集客では、ホームページ、ポータルサイト、チラシ、ケアマネ営業、見学会など、複数の施策を組み合わせていく必要があります。
ただし、施策の数を増やすだけでは成果にはつながりません。
ターゲット、商圏、競合、自社の強み、問い合わせ導線。まずはこの土台を整えたうえで、利用者本人、家族、紹介元、それぞれに届く言葉で情報を発信していく。これが、成果につながる集客の基本姿勢です。
特に有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅では、事業者側の訴求と顧客の受け取り方にズレが生まれやすいため、顧客の不安や生活課題に寄り添った表現に置き換える工夫が欠かせません。
施策ごとの成果を測定し、営業資料、Webページ、問い合わせ対応を継続的に改善していく。地道な積み重ねが、利用者獲得と稼働率向上につながります。
シニア世代の集客やマーケティングには、世代特有の情報収集行動や心理的なハードルへの理解が必要です。
シニア層への効果的なアプローチやサービス設計を検討されている方は、シニア専門のマーケティング支援を行うシニアDXラボの調査研究レポートも、ぜひ参考にしてみてください。

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