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公開日: 2026.01.30
更新日: 2026.01.26
団塊ジュニア世代とは、1971年から1974年に生まれた人々を指す言葉です。日本における第二次ベビーブーム世代であり、2025年現在は50歳から54歳となっています。この世代は日本の労働力人口において最大のボリュームゾーンを形成しており、社会・経済に大きな影響を与えてきました。
本記事では、団塊ジュニア世代の特徴や成長過程を振り返りながら、彼らが直面する「2040年問題」について整理します。さらに、この世代に対するマーケティング戦略のポイントについても解説していきます。
団塊ジュニア世代は、日本の高度経済成長期の終盤から安定成長期にかけて生まれた世代です。1971年から1974年生まれと定義され、親世代である団塊の世代(1947〜49年生まれ)からその圧倒的な人口規模を受け継いだため「団塊ジュニア(団塊の子供)」と呼ばれています。
1973年には年間約209万人もの出生者数を記録しました。これは戦後最多の出生数を持つ1949年(約269万人)に次ぐ規模です。当時の合計特殊出生率は2.14と、現在の約1.20と比較するとはるかに高く、人口に大きな「山」を形成した世代といえます。
この世代は都市部で生まれ育った人も多く、幼少期から社会全体の豊かさを享受してきました。しかし、後にバブル崩壊や就職氷河期といった厳しい現実に直面したことでも知られています。第一次ベビーブーム世代に次ぐ人口ボリュームを持つことから、教育制度や就職環境、消費トレンドなど様々な分野でこの世代の存在感が見られました。
団塊ジュニア世代は、幼少期から受験戦争やバブル景気とその崩壊といった激動期を経験してきました。そのため、価値観や行動様式にも他世代とは異なる特徴が見られます。
この世代の成長過程は、日本社会の変遷と密接に結びついています。高度経済成長期の終焉に生まれ、学生期には競争社会を勝ち抜き、就職期には歴史的な不況に直面しました。こうした経験から「不運の世代」と呼ばれることもありますが、厳しい環境を通じて培われた適応力や忍耐力を持つとも指摘されています。
ここでは、団塊ジュニア世代の成長過程を「子供時代」「学生時代」「就職活動」の段階に分けて振り返り、その背景を探ります。
団塊ジュニア世代が幼少期を過ごした1970年代前半、日本はちょうど高度経済成長期の終焉に差し掛かっていました。1973年のオイルショックを契機に経済は高度成長から安定成長へ移行し始め、社会全体が成熟期へ向かうタイミングでこの世代は誕生しています。
彼らの子供時代には、家庭の物質的な豊かさが比較的整っていました。都市部を中心に幼児教育への通園率が90%以上に達するなど、教育インフラも充実していた時代です。当時は4歳から幼稚園に通う「2年保育」が主流で、3歳からの「3年保育」は少数派でしたが、幼児期から集団教育を受けることがこの世代では一般化し始めていました。
一方で、1970年代には大阪万博(1970年)や沖縄返還(1972年)といった国家的イベントが開催される一方、連合赤軍による「あさま山荘事件」(1972年)など社会を揺るがす事件も発生しています。団塊ジュニア世代は、こうした社会変動の狭間に生まれ育った世代といえるでしょう。
また、幼い頃からテレビが普及し始めた時代でもあり、子供向け番組やアニメの洗礼を受けた世代でもあります。後に彼らの文化的背景となるアニメブームの火付け役「機動戦士ガンダム」(1979年放送開始)もまさに彼らの幼少期に誕生し、ガンプラブームを巻き起こしました。
団塊ジュニア世代が小学生から高校生だった1980年代は、日本の若者文化が最も華やいだ時期の一つです。テレビアニメや漫画が子供たちの中心的な娯楽となり、『ドラえもん』『キャプテン翼』『北斗の拳』など数々の作品が人気を博しました。1983年には家庭用ゲーム機「ファミリーコンピュータ(ファミコン)」が発売され、全国的なファミコンブームも起こっています。
学校教育の面では、受験競争の過熱が特徴として挙げられます。団塊ジュニア世代が中高生だった1980年代後半から1990年代前半は、ちょうど大学進学率が上昇し始めた時期です。「受験戦争」とも形容される熾烈な進学競争が繰り広げられ、大学入試志願者数の急増により私立大学の競争倍率が跳ね上がる「私大バブル」という現象も生じました。
教育カリキュラムにおいては、1977年に導入された新学習指導要領(いわゆる「ゆとりカリキュラム」)の最初の適用世代が団塊ジュニアです。旧来の詰め込み教育からゆとり教育への転換期に当たる世代であり、小中学校では管理教育が厳しい一方で、高校時代には徐々に教育内容の見直しも始まるという過渡期の教育環境を経験しています。
この頃の学校現場ではいじめ問題や不登校が社会問題化し始めました。校内暴力は1980年代後半には沈静化したものの、管理の厳しい校風の中で目立たない問題としていじめ等が潜行し、社会的にクローズアップされたのもこの世代の学生期です。団塊ジュニア世代の学生時代は「豊かな消費文化」と「激しい競争社会」の両面を味わった時期でした。
団塊ジュニア世代が大学を卒業し就職活動の時期を迎えた1990年代前半、日本経済は劇的な転換期にありました。1991年のバブル崩壊により、それまで好況だった景気が一気に冷え込み、企業は新卒採用を大幅に絞り始めます。
ちょうどその直撃を受けたのが団塊ジュニア世代です。彼らの多くは「就職氷河期世代」として厳しい就職難に晒されました。大学を出ても希望する企業から内定をもらえず、何十社も応募しても就職が叶わないといった状況に直面したのです。ようやく就職できても、1990年代後半にはリストラの波が押し寄せ、在職中に会社都合の退職を経験する人も少なくありませんでした。
新卒で正社員になれず、やむなく非正規雇用(アルバイト・パート、フリーター、派遣など)に就いた人も多数存在します。企業側も不況下で新人育成に余裕がなく、人員削減が優先された結果、この世代には正規のキャリアパスを築けなかった層が少なからず存在しています。
その影響は彼らのライフコースに長期的な影を落としました。正社員として安定収入を得られないことで結婚や出産を先送りした人が多く、30代前半時点(2005年)での未婚率は男性47.1%、女性32.0%に達しています。
出典:内閣府「少子化の動向と出生率に関する 研究サーベイ」P6
本来なら「第三次ベビーブーム」を担うと期待されていた世代でしたが、現実にはそれは起こらず出生率は低迷しました。経済的不安定さから子どもを持たない選択をした人も多く、晩婚化・少子化の一因となっています。 また、就職氷河期世代として長く低収入に留まった結果、貯蓄が十分にできない層も目立ちます。金融広報中央委員会の調査によると、40〜50歳代で金融資産を持たない世帯は2〜3割にのぼるというデータもあり、この世代の経済的基盤の脆弱さが浮き彫りになっています。こうした状況は、彼らが中年期を迎えてからも様々な課題を引き起こしています。
「2040年問題」とは、日本が直面する超高齢化社会の諸問題を指す総称です。特に団塊ジュニア世代が65歳前後となる2040年前後に顕在化すると懸念されている課題群のことを意味します。
2040年頃には、ちょうど団塊ジュニア世代が定年退職期・高齢者層に突入します。その結果として日本の総人口に占める高齢者の割合が約35%(3人に1人)に達すると予測されています。
出典:国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(令和5年推計)」
これは過去に例のない高齢化率であり、同時に少子化による生産年齢人口の急減も重なるため、日本社会の維持に大きな危機が及ぶと指摘されています。団塊ジュニア世代自身にとっても、「自分たちが高齢期を迎える2040年に社会はどうなっているのか」という不安は大きいでしょう。
2040年問題の中でも特に団塊ジュニア世代に深く関わる課題として、以下の4つが挙げられます。
これらの課題は相互に関連しており、複合的に日本社会へ影響を与えると考えられています。以下で順に確認していきます。
団塊ジュニア世代が2030年代後半から2040年前後にかけて定年退職の時期を迎えることで、日本の生産年齢人口が一気に大幅減少します。彼らは日本最後の大きな人口ボリューム世代であり、その引退は日本経済に大きなダメージを与えると見込まれています。
その対策として政府は「定年後もできるだけ働き続けてもらう」方向を打ち出し、高年齢者雇用安定法の改正や定年延長の制度整備を進めています。しかし、定年後再雇用では給与水準が大幅に下がるのが実情で、現役時代の半分以下になるケースもあります。団塊ジュニア世代は元々就職難の影響で低賃金に据え置かれた経験があり、「老後資金への不安が解消されない」という懸念を抱えています。
日本の高度成長期に整備された道路・橋梁、トンネル、上下水道管などのインフラ設備が、2040年前後には一斉に更新時期を迎えます。修繕や更新には莫大な費用がかかり、税金や水道料金の値上げが避けられないとの指摘があります。
特に地方では、利用者減や経営悪化によりバス路線や鉄道の廃止が増加すると見込まれています。地方に暮らす団塊ジュニア世代にとって、65歳を迎える頃に公共交通がなくなるのは死活問題です。コンパクトシティ化やデマンド交通の導入など、インフラ・交通網の再編は避けて通れない課題となっています。
少子高齢化の進行に伴い、特に地方自治体では人口規模の縮小と高齢者偏重が進んでいます。ある推計によれば、2050年までの約30年間で全国の744の自治体が消滅する可能性があるとされています。団塊ジュニア世代が定年を迎える頃に、自分の暮らす自治体が成り立たなくなる恐れすら指摘されています。
特に深刻なのは若年層の流出が続く過疎地域です。人口減によって行政サービスを維持できず、財政が破綻する自治体が出る可能性があります。政府はテレワーク普及による地方移住促進や、小規模自治体同士の広域連携など、地方創生施策を進めています。
2040年前後、高齢者人口のピークにより医療・介護サービスの需要が最大化する一方で、供給を担う人材が圧倒的に不足すると予測されています。厚生労働省の試算によれば、2040年には介護職員が約69万人も不足する可能性があります。
出典:厚生労働省「第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」
団塊ジュニア世代が要介護年齢に差し掛かる頃に介護マンパワーが足りないという状況は、大きな不安材料です。人手不足によって介護費用が高騰し、サービスを受けるハードルが上がる可能性も指摘されています。また、就職氷河期の影響で引きこもり状態となった人々が高齢期を迎える「8050問題」も深刻化が懸念されます。
シニア世代の課題や市場動向について詳しく知りたい方は、以下の資料をご活用ください。
「超高齢社会、2040年問題から考えるこれからのシニアマーケット」
ダウンロードはこちら:
団塊ジュニア世代は2020年代半ば現在50代前半となっており、社会では「プレシニア世代」などとも呼ばれます。この世代は現役で働く人が多く、他の若い世代に比べて平均的な経済力が高い傾向があります。人口規模が大きいことも相まって、企業にとっては有望な消費者層であり、マーケットの主要ターゲットになり得る世代です。
一方で、バブル世代(1960年代後半生まれ)などと比べると、価値観や消費行動には大きな違いが見られます。団塊ジュニア世代にアプローチするマーケティングでは、以下のようなポイントに留意する必要があります。
団塊ジュニア世代は若い頃にバブル崩壊と就職難を経験した影響から、消費において非常に堅実で合理的な判断を重視します。バブル世代のようなブランド志向・贅沢志向は相対的に弱く、高品質で長く使えるもの、価格に見合った価値を提供するものを好む傾向があります。
「コストパフォーマンス(費用対効果)」という言葉がまさにこの世代のキーワードであり、商品・サービスの訴求には価格以上の納得感や実績を示すことが重要です。
団塊ジュニア世代の多くは購入前にインターネット等で入念なリサーチを行います。特に一般ユーザーの口コミや専門家の評価など「第三者の声」を重視する傾向が強く、自社が一方的に発信する宣伝だけでは購買行動につながりにくい特徴があります。
マーケティングでは商品のメリット・デメリットを含めた論理的で信頼性の高い情報提供が求められます。具体的には、公式サイトでの詳細なスペック開示や比較データの提示、ユーザーレビューの見える化、専門家のお墨付き(レビュー記事や監修)などが有効です。過度な誇張表現やイメージ先行の広告はこの世代には響きにくく、むしろ不信感を与えかねないため注意が必要です。
50代となった団塊ジュニア世代ですが、実はデジタルデバイスやSNSを日常的に活用しています。総務省の調査によれば、50代のSNS利用率は非常に高く、特にLINEの利用率が突出しているほか、InstagramやX(旧Twitter)、Facebookも多数が利用しています。情報収集源としても、ポータルサイトのニュース配信やソーシャルメディア経由のニュースが紙の新聞と並ぶ主力となっています。
出典: 総務省情報通信政策研究所「令和6年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」 P83
このため、団塊ジュニア世代をターゲットにする際もSNSマーケティングやWeb広告、動画コンテンツなどのデジタルマーケティング施策は効果的と考えられます。LINE公式アカウントでクーポン配信や商品情報を届けたり、Facebookでコミュニティを作ってユーザーと継続的に交流したりといった施策は、この世代にも有効です。
団塊ジュニア世代は堅実な消費行動をとる反面、一度信頼したブランドや製品に対しては比較的ロイヤリティを持ちやすい世代でもあります。就職氷河期を生き抜いた彼らはビジネスの現場でも論理性や誠実さを重んじる傾向が強く、企業に対しても真摯で丁寧な対応を期待します。
マーケティングにおいても、一度購入してもらって終わりではなく、その後のアフターサービスやフォローアップを充実させることで「この会社は信用できる」という安心感を与えることが重要です。中高年向けの商品であれば長期保証や使い方サポートを手厚くする、定期的な情報の提供でつながりを保つ、といった関係維持施策が効果的でしょう。
また、この世代はアナログとデジタルの両時代を経験したハイブリッド世代でもあり、紙媒体やテレビといった従来型メディアにも一定の影響力が残っています。Webとリアルの両面から情報接点を設けるクロスメディア戦略も有効です。
団塊ジュニア世代は「真面目で慎重なお客様」であり、誠実かつ理にかなったマーケティングで応えることが肝要です。この世代の消費行動についてさらに詳しく知りたい方は、オースタンスが提供するホワイトペーパー「シニアトレンド白書〜シニアの消費行動 年代別レポート〜」をぜひご活用ください。
ダウンロードはこちら:
団塊ジュニア世代が50代となった現在、マーケティングの世界では彼らを"アクティブシニア予備軍"と見立てたアプローチも増えています。そうした変化を背景に、シニア向けマーケティングの専門知識やデータを活かし企業の課題解決を支援する存在の重要性が高まっています。
私たち株式会社オースタンスは、「シニアDXを推進するリーディングカンパニー」として、日本最大級のシニア向けコミュニティSNS「趣味人倶楽部」を運営しています。会員数は42万人にのぼり、日々蓄積される膨大な行動データやコミュニケーションデータをもとに、シニア世代の興味関心、行動パターン、購買傾向といった深いインサイトを分析・蓄積してきました。
その知見をもとに、シニア層に商品・サービスを展開したい企業に対し、企画立案からプロモーション実行、顧客獲得まで一気通貫でサポートしています。団塊ジュニア世代へのアプローチやシニアマーケティングでお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
シニア向けマーケティングメニュー資料はこちら:
団塊ジュニア世代は、日本の人口構造において団塊世代に次ぐ大きな山を形成した世代です。受験戦争や就職氷河期を経験した「不運の世代」とも呼ばれますが、現在は50代となり社会の中核で活躍しています。
2040年には彼らが一斉に高齢者層へ移行するため、労働力の急減や社会保障費の増大、医療・介護人材の不足など、多面的な課題への対応が求められています。ビジネスの観点では、この世代は最後の大規模消費セグメントとして重要であり、世代特有の価値観を理解した誠実なマーケティングが不可欠です。
コスパ重視の消費志向や徹底した情報収集といった特性を踏まえ、SNSやオンラインコンテンツを活用しながら信頼を得るコミュニケーションを心がけることが大切です。この世代の持つ経験と購買力を正しく理解することが、今後のマーケティング成功の鍵となります。

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