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公開日: 2023.02.21

更新日: 2024.11.22

アクティブシニアの定義とは?ペルソナを設定しマーケティングできるまでに解説!

「アクティブシニア」という言葉を聞いたことがあるけれど、実際にはどんな人たちなのか、どのような特徴があるのか詳しくは知らないという方もいると思います。

本記事では、アクティブシニアの定義や市場規模、趣味や関心のトレンドについて詳しく解説します。またアクティブシニアをターゲットにしたマーケティングを成功させるためのポイントもあわせてご紹介しますので、アクティブシニアに対するビジネス戦略を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

アクティブシニアとは?

アクティブシニアとは、趣味や仕事に意欲的で積極的に社会活動に参加し、健康的で活発な高齢者を指します。こういったアクティブシニアの方々は、金銭的にも余裕があり経済的にも自立している方々が多い傾向にあります。

また「一般社団法人日本アクティブシニア協会」では、アクティブシニアを65歳から75歳までと定義しています。昔のような、「定年退職後は、家でゆっくり暮らそう」という消極的な過ごし方をするシニアは、アクティブシニアには入りません。最近では、 引退や老後を前向きに捉え、より充実したセカンドライフを送りたいと考えるシニアの方々が増えてきています。

参考ですがアクティブシニアの言い換えとして、「団塊の世代・アラ還・アラウンド60・新世代シニア」といった言葉が挙げられます。

アクティブシニアの人口と市場規模

アクティブシニアの人口は増加傾向にあります。

内閣府が発表した「令和6年版 高齢社会白書」によると、2023年10月1日時点で日本の65歳以上の人口はおよそ3,623万人に達し、全人口の29.1%を占めています。

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単に65歳以上の人口が増加傾向にあるだけでなく、高齢者の就業率の向上や健康寿命の延びなどアクティブシニア層の増加を裏付けるようなデータもあります。

例えば、65歳以上の就業率は2013年時点では38.7%だったのに対して、2023年には52%と大幅に増加しています。また健康寿命に関しても、2001年では男性が69.4歳、女性が72.65歳だったのに対して、2019年には男性で72.68歳、女性は75.38歳となっており、男女ともに3年近く延びています。

このようなことから、アクティブシニアの市場規模も拡大しています。2025年には高齢者向けマーケットの市場規模は101.3兆円になると予想されています。特に娯楽などの生活産業の成長が大きく、アクティブシニアが旅行や趣味、健康に関する商品やサービスに対する消費がより積極的になっていくことが予想されます

アクティブシニアの特徴

アクティブシニアは、健康で活発なライフスタイルを維持しながら、さらに経済的にも自立しています。そのためアクティブシニアは、単に年齢を重ねただけの「高齢者」とは異なり、若々しい精神を持ち続け、新しいことに挑戦し続ける世代です。

アクティブシニアの特徴について詳しく解説していきます。

仕事や趣味に意欲的でチャレンジ精神もある

アクティブシニアの方々は、仕事や趣味に対して非常に意欲的です。定年後も再雇用や起業などで働き続ける人が多いです。65歳以上のシニア層のうち、就業している割合は増加傾向にあり、2023年時点では65歳の2人に1人が就業しているというデータもあります。

またアクティブシニアの方々は、アウトドアや旅行、スポーツなどのアクティビティにも積極的に参加しています。会員数39万人を超えるシニア向けコミュニティサービスの「趣味人倶楽部」のデータによると、「スポーツ・アウトドア・レジャー」や「旅行・お出かけ」といったカテゴリのコミュニティの参加者が多くコミュニティでの活動も盛んです。

アクティブシニアは、定年後も再雇用や自営業、ボランティアなど多様な働き方を選び、地域活動や趣味の教室開催などで社会と繋がりながら自己実現を図っています。また、旅行やスポーツ、アウトドア活動など新しいことに積極的に挑戦し、生活に刺激と充実感を求める特徴があるといえそうです。

金銭的に余裕がある

アクティブシニアは、金銭的に余裕があるという特徴があります。

「令和6年版 高齢社会白書」によると、「経済的な暮らし向きについて心配がない」と感じている65歳以上の割合は68.5%となっています。また2人以上の世帯で世帯主が65以上の場合、貯蓄額が1,000万円以上の世帯の割合は64%を超え、4000万円以上の貯蓄を持つ世帯は17.9%で、この数値は全世代の12.5%と比較して高い水準となっています。

このような金銭的な余裕が、アクティブシニアの多様な活動を支える基盤となり、その余裕を生かして多様な活動に積極的に取り組んでいるのがアクティブシニアの特徴の1つと言えます。

健康意識が高い

健康意識が非常に高いこともアクティブシニアの特徴です。

健康のために定期的に運動をしたり、バランスの取れた食事を心がけたりする人が多いです。健康サプリメントを使用する人も多く、健康維持のための投資を惜しまない傾向があります。

株式会社オースタンスが2023年9月に公開した「シニアトレンド白書〜アクティブシニアの消費行動〜」のデータによると、87.7%の高齢者が運動や食事など普段から健康のために何かしらの取り組みを行っていることが分かっています。

また健康サプリを飲んでいる高齢者は48.1%に達し、健康維持のためにお金をかけていることが分かります。

アクティブシニアの趣味・トレンド

アクティブシニアについて理解するためにも、趣味嗜好やどのようなことに感心があるのかを知ることも大切です。

ここではアクティブシニアの趣味やトレンドについて詳しく解説していきます。

スポーツ・アウトドア

アクティブシニアの方々の間では、スポーツやアウトドア活動が非常に人気です。

大人世代のコミュニケーションサービス「趣味人倶楽部 」のコミュニティのデータによると、アクティブシニアの間で最も人気のあるコミュニティ活動として、「スポーツ・アウトドア・レジャー」が1位にランクインしています。

また、内閣府の調査によると、75歳以上の運動習慣のある人の割合は、男性で46.9%、女性で37.8%となっています。このデータからもわかるように、高齢者の中でも多くの方が定期的な運動を行い、健康を維持しようとしていることがうかがえます。

このようなスポーツやアウトドア、レジャーなどに積極的に参加するのは、健康維持だけではなく、社会的なつながりを持つための重要な手段ともなっています。同じ趣味を持つ仲間と定期的に交流することで社会的な孤立を防ぎ、精神的な健康も維持され、健康的な生活習慣を続ける動機付けとなります。

旅行

旅行やおでかけもアクティブシニアの方々に人気の高い趣味の一つです。

「趣味人倶楽部」のコミュニティのデータによると、旅行・おでかけは、先ほどのスポーツ・アウトドア・レジャーに次いで2位と、非常に多くのシニアが国内外問わず旅行を楽しんでいます。

シニア向けの旅行プランやツアーも最近では非常に充実してきており、歩く距離を短縮したりトイレ休憩の間隔を配慮したプランなど60代や70代に向けた旅行商品も用意されています。

高齢者ならではの心配事に配慮されたツアーにより、シニアの方々は新たな発見や出会いを楽しむことができ、日常生活に新しい刺激を取り入れることができています。

美容

アクティブシニアの方々は美容にも高い関心を持っています。 「シニアトレンド白書〜美容に関する意識調査2024〜」によると、エイジングケアやスキンケアを意識的に行っているシニア女性は約89.1%、シニア男性は約59.2%という結果が示されています。

シニア世代はエイジングケアやスキンケア商品に対しても積極的に支出しており、女性の約19.5%が毎月1万円以上を美容関連商品に費やしています。一方、男性シニアは2,000円未満の支出が26%と、男女間で消費額に大きな差があることも確認されています。

シニア層は見た目の若々しさを保ち、自信を持って生活するための重要な要素として美容に取り組んでいます。このように、アクティブシニアの方々は経済的にも余裕があり、美容に対する投資を惜しまない姿勢が見受けられます。

資産運用・投資

アクティブシニアの方々は資産運用にも非常に積極的です。 多くのシニアが老後の生活資金を増やすために投資を行っており、株式投資や投資信託、不動産投資などさまざまな方法で資産を運用しています。

株式会社オースタンスが公開した「シニアトレンド白書 暮らしトレンド2024」によると、シニア層の47.1%という、約半数の方々が何らかの形で資産運用を行っていることがわかりました。「今は資産運用していないが興味はある」という人も約9%いました。

また資産運用を始めた時期として定年前の50~65歳に始める人も多く、シニア世代の資産運用への興味が高まっていることが分かります。

アクティブシニアのマーケティング成功ポイント

アクティブシニアの方々をターゲットにしたマーケティングを成功させるためには、いくつかの重要なポイントを押さえることが必要です。

ここでは、アクティブシニア向けの効果的なマーケティング戦略について詳しく解説していきます。

ペルソナを細かく設定する

アクティブシニアの方々をターゲットにしたマーケティングを成功させるためには、ターゲットとなるシニア層のライフスタイルや価値観、趣味嗜好を細かく設定することが重要です。

「シニア」と一括りにしたり、高齢者の固定観念に基づいたペルソナ設定ではなく、詳細なペルソナを作成することが求められます。

オフラインとオンラインを組み合わせてリーチする

シニア層のインターネットやスマートフォンの利用率は増加傾向にあります。2023年の60代のインターネット利用率は90%を超え、60代の約91%、70代の約78.3%がスマートフォンなどモバイル端末を利用しているという調査データがあります。

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出典:第1部 第2章 第1節(2)高齢者を取り巻く社会環境の変化 | 消費者庁 この現状を踏まえるとオフラインの新聞広告やテレビCMといった従来のメディアを活用するだけでなく、ウェブサイトやSNSなどデジタルマーケティングと組み合わせることで、効率的にアクティブシニア層にアプローチすることが大切になります。

興味関心を正しく理解してアプローチする

アクティブシニア向けのマーケティングを成功させるためには、彼らの興味関心を正しく理解し、それに基づいたアプローチを行うことが重要です。

例えば、シニア向けコミュニティサービス「趣味人倶楽部」のデータによると、アウトドアや旅行、スポーツ、美容などが人気の高い趣味であることがわかっています。 シニア層の興味関心を踏まえたうえで、関連する商品やサービスをターゲットの興味と絡めて提案することで、効果的なマーケティングを展開できます。

具体的な例としては、健康食品を販売する場合であれば、健康意識の高いシニア層に向けてウォーキングイベントを開催するなどが考えられます。このような考え方をベースにすることでシニア層に対して適切なメッセージを届けることができ、さらにマーケティング効果を高めることが期待できます。

アクティブシニアを理解する

アクティブシニアとは、60歳以上でありながら積極的に社会活動や趣味を楽しむ高齢者を指します。

こういったシニア層の方々は健康で経済的にも自立しており、仕事や趣味に意欲的で、色々なことへの興味関心を失わずチャレンジ精神を持っています。アクティブシニアの人口と市場規模の割合は年々増加傾向にあり、アクティブシニアをターゲットにしたマーケティングはますます重要になっていくことが予想されます。

この記事を通じて、アクティブシニアの方々についての理解が深まり、彼らに対する効果的なマーケティング戦略を構築する手助けとなれば幸いです。

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