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▲中央左より、(株)JTB Living Auberge 事業責任者 日高様 中央右 同チーム 長尾様 /左端(株)オースタンス ビジネスプロデュースユニット マネージャー 加藤、中央右から二番目 ソリューションユニット マネージャー 井川、ソリューションユニット 小島
公開日: 2024.07.03
更新日: 2024.07.03
「Living Auberge(以下、「リビングオーベルジュ」) 」は、一流のホテルやレストラン、シェフが参画し、JTB独自の感動パーティー運営ノウハウにより、自宅やオフィスなどの「日常空間」をはじめとした、さまざまな場所において「世界に一つだけの感動的な食事体験」を創出するものです。社内の新規事業公募制度をきっかけに、事業責任者日高様のアイデアから生まれ、2023年7月~9月に実施した実証実験の結果を受けて、事業化に至りました。
日高様(JTB)
事業運営する中で、半年経ち2つの壁にぶつかりました。当初コロナ禍で外出機会が減る中、自宅で良質な体験や食事を提供することができないかという仮説からサービスが始まりました。ただし事業運営をする中で、「日本ではホームパーティー文化が浸透していない。」「コロナ禍が落ち着いてサプライヤー側の人材や供給が不足しているため、量で勝負できない。」という事業運営の難しさを感じていました。
そこから方針転換を行いB2Cに加え、B2Bに対する商品開発と販売強化を行いました。法人向けの提案において、旅行だけでなく食体験であるリビングオーベルジュの提供も可能にすることで、旅行代理店としての位置づけを超え、幅広いサービス提供を目指しました。そして旅行や宿泊だけでなく、食事という新たな要素を加えることで、バリューチェーンが広がることを期待しています。
現在は方針転換がうまくいきB2Bの売上が大半を占めています。ただし、中長期的にみた際に、ミッションである人々の生活を豊かにするという点ではB2Cへの販路拡大は必須と考えていました。そこでホームパーティーを主軸とした事業展開を検討する中で、改めて市場や顧客を深く理解することが重要と考えました。過去には子育て世代に対して調査を行った経験がありましたが、シニア世代に対する調査は行なっていませんでした。国内2人に1人が50歳以上である現状踏まえ、市場ボリュームがあるシニア世代の獲得可能性を明らかにする必要がありました。 日高様(JTB)
顧客調査を検討する中でオースタンスさんを選んだ理由は、提案力と仮説構築力にありました。私は10年以上法人営業を行なっていましたが、正直フォーマットでの提案の方が楽だと思ったこともあります。しかし、今回はシニアビジネスの知見を持つオースタンスさんが、顧客の仮説を持って組織的に提案してくれたことを高く評価し依頼を決めました。
このプロジェクトでは、定性調査を実施しました。被験者は世帯保有資産が5,000万円以上で、ホームパーティーや自宅での食事会を半年に1回以上開催する層を対象としました。さらに、サービスの利用意向および興味関心が一定以上確認できる層を選びました。定性調査の結果をもとに、顧客価値を再定義し、B2CでのPMFの可能性を検証いたしました。
日高様(JTB)
調査を通じて、シニア層を一括りにするのではなく、細分化して捉えることが重要だと再認識しました。今回はホームパーティーという大きな括りの中で、利用層と未利用層にインタビューしました。ただし調査分析結果から、食事にお金をかけない層、特別な場面ではお金をかける層、常に食事にお金をかける層といったホームパーティーの利用未利用に留まらない広義の生活状況を捉える必要があり、3つの層での利用可能性も大きく異なる結果となりました。今後は今回明らかになった層に対してマーケティング検証を行なっていく予定です。改めてこのサービスがどのサービスと比較されるのかをきちんと理解しマーケティング戦略や訴求軸を検討する必要があります。
日高様(JTB)
私たちサービスの使命は、「ご飯美味しかったね。」ではなく「今日1日楽しかったね。」という感動体験をユーザーに届けることだと思っています。人と人との交流を通じて、平和で心豊かな社会の実現を目指すことが弊社の使命です。現状では分かりやすくホームパーティーサービスという言葉を使用していますが、今後はサービスブランドを定義し、更なる価値を世の中に伝えていきたいです。
井川(オースタンス)
弊社もまさに「歳を重ねて、楽しみがある人生に。」というビジョンを掲げています。年間300人以上にデプスインタビューをする中で、趣味人倶楽部会員のとある方が「毎日起きる理由がないんです。」と発言されていました。我々はこういった方々を含め、明日の楽しみを創ることや、カレンダーに予定を埋めることが弊社の使命だと思っています。ぜひ貴社と一緒に、年齢を重ねることをポジティブに捉える世の中を実現していければと思います。
この度JTB様とのお取り組みでは、新しい食体験サービスがシニア×富裕層へ受容されるのかというテーマで定性調査を実施いたしました。弊社はサービス開発において「顧客の状況を捉えること」が事業の失敗確度を下げるうえで最も重要と考えています。
そしてオースタンスでは、今回のような定性調査を通じた受容性検証だけでなく、シニア世代向け新規事業開発を数多く実施しており、多面的な知見をご提供できると考えております。事業テーマ立案からPoC、更には事業化後のマーケティング支援など新規事業開発に関わる様々なご支援が可能です。ご関心をお持ちいただけましたら、ぜひお気軽にお問い合わせくださいませ。
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