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▲左より、ジェイコム少額短期保険(株) 代表 寺嶋様、JCOM(株) 川田様、(株)オースタンス 代表 菊川
公開日: 2022.08.09
更新日: 2024.07.26
1995年の創業以来、ケーブル・プラットフォーム事業を中心に、数多くの世帯へ、ケーブルテレビやインターネット接続などのサービスを提供してきたJ:COM様。
暮らしに深く関わるサービスを提供されてきた中で、より幅広い価値を届けるため、2020年にジェイコム少額短期保険株式会社を設立し、保険サービスの提供を開始されました。
この度、ケーブル・プラットフォーム事業のお客様の中でボリュームの多い中高年層に関して、現在提供中の2種類の少額短期保険や、今後の保険商品の展開を模索するため、デプスインタビューを中心としたシニアビジネスリサーチを実施。
取り組みのご感想や、調査を経た今後の展望について、JCOM(株) 川田様、ジェイコム少額短期保険(株) 代表 寺嶋様にお話を伺いました。
ケーブルテレビやインターネット接続などのケーブル・プラットフォームを中心として、顧客基盤を拡大してきたJ:COM様。
この顧客基盤を活用した新規事業として近年立ち上げた少額短期保険事業について、より顧客起点でのサービス提供・販促強化を行うため、実際に顧客層の声を聴く「デプスインタビュー調査」をご検討いただいたとのこと。
既存事業の顧客の中でもハイボリューム層である中高年~シニア世代に焦点を当てた調査として、趣味人倶楽部を活用した調査を実施させていただきました。
川田様(J:COM)
2020年から少額短期保険のサービス提供を開始して、全国のお客さまへご案内させていただき、たくさんのお客さまにご契約をいただいている中で、既存商品をどのようにご案内することで魅力を感じていただけるのか、また、今後の事業開発をどのように展開していくのかを模索する状況でした。
お客さま層としてシニア年代の方が多く、お客さまが40年、50年生活してこられた中で、商品を見てどう思うのか、というインサイトを反映していくことが重要だと考え、今回のご依頼に至りました。
今回の取り組みでは、以下の2点を主目的として、趣味人倶楽部にて被験者を募集してのデプスインタビュー調査を実施いたしました。
・提供中の少額短期保険 2商品の販促活動強化
・今後の少額短期保険事業 展開可能性の模索
調査設計段階では、現在のJ:COM様の顧客基盤や販促活動状況/手法について詳細にヒアリングした上で、既存商品の販促課題や、今後の展開方針を詳細にお伺いした後、被験者要件と調査シナリオの策定に着手。
被験者のバックグラウンドや、保険との関わり方によって、保険商材に対する価値観が大きく変容することを踏まえ、本調査における被験者は7名に設定のうえ募集いたしました。
被験者募集においては、性別/年齢/家族構成など基本属性の分散に加え、保険への理解や契約状況など、固有の詳細条件を設定し、数百名の応募の中から最適被験者を選定しております。
調査においては、商品印象評価を主軸にしつつ、前提である被験者のバックグラウンドや保険との関わり方を詳細にヒアリングする半構造化型式でインタビュー調査シナリオを策定。
J:COM様の商品・展開方針をお伺いし、保険商材知識もインプットした上で実施しているため、単純な一問一答ではなく、柔軟な質問で掘り下げるリサーチが実現できます。
川田様(J:COM)
オースタンスさんにお願いして一番驚いたのは、今回急なご依頼だったにも関わらず、保険という複雑な事業・商材に関してしっかりとインプットしていただいたことでした。事業理解や、J:COMグループがどんな展開をしたいのか、というところまで入り込んでいただけるというのは、他の調査会社さんとの違いだと感じます。
被験者7名によるデプスインタビューを行った後、発言録や取得情報を資料化。
各被験者について、保険商品への印象評価など、本調査の主要調査項目を整理いたしました。
調査内の印象評価については、調査目的に合わせ、各商品の要素項目ごとに評価を集計・分析いたしました。被験者それぞれの経験や、その経験に起因するリスク認識によって、各商品に対する印象評価が分岐する結果となりました。
集計・分析により、多くの被験者にとって、自身の経験からリスクと認識している事柄に対する補償・サポートが充実しているかどうかが、費用対効果を実感する上での重要な要素であることが浮き彫りになりました。
今後の展開においても、調査を踏まえ、J:COM様の顧客基盤を活用した方針の示唆提案をさせていただきました。
寺嶋様( ジェイコム少額短期保険 )
取り扱う保険商品を検討していただく上では、リスク認識・自分ごと化・保険での成功体験が重要だと考えていますが、実体験の多い中高年層の方々に関しては、それらに過去の経験が非常に大きく起因していることがよく分かりました。
今回の取り組みから得られた中高年層の保険商品インサイトや分析結果は、販促におけるお客様とのコミュニケーション最適化や、今後の事業開発にご活用いただきました。
また、この度のデプスインタビューなどを経て、実際のターゲット層の声を掘り下げていく中で、顧客起点での事業開発の重要性を再認識するきっかけとしていただいたとのこと。
定量調査などによるマクロ視点に加え、今回のデプスインタビューのようなミクロ視点を掛け合わせることで、より空論ではない”お客様目線”のサービス開発が可能になると考えられます。
お客様に寄り添うJ:COM様の文化・姿勢に対し、顧客起点での調査をよりご活用いただけるイメージをお持ちいただけました。
川田様(J:COM)
少額短期保険事業の立ち上げの時期には、今回のようなデプスインタビュー調査は実施していませんでした。定量調査やお客様アンケートは行っていたものの、お客様個々のライフスタイルにまで踏み込んだ視点は弱かったと思います。実際のお客様がそれぞれ異なったバックグラウンドのもと異なった生活を送られる中で商品を見たときに何をどのように感じるのか、という視点の重要性を感じ、今後も積極的に取り入れていく必要があると考えています。
寺嶋様( ジェイコム少額短期保険 )
今回のデプスインタビューによって洞察が深まり、それを踏まえてJ:COMグループが提供する商品としての親和性や、お客様がどうやったら納得していただけるのか、という検討に活用していきます。今までの定量調査などでは得られない感覚や知見だったのではないかと思います。
今回のデプスインタビュー調査のお取り組みでは、J:COM様が提供される少額短期保険商品にフォーカスし、中高年代の保険商品に関するインサイトを重点的に深堀らせていただきました。
中高年・シニア世代においては、これまでの豊富な経験値に加え、価値観面/身体面/生活面などの変化が大きく、事業機会創出やマーケティングの難易度が高まる傾向にあります。
この度のJ:COM様における保険商品のように、契約・購買までの意思決定ハードルが高い商品では、特にターゲットの行動実態やインサイトを的確にとらえた機会把握が非常に重要となります。
オースタンスでは、本事例のようなデプスインタビュー調査を中心に、中高年・シニア世代の顧客インサイト発掘による事業開発支援を数多く行っております。
目的や事業フェーズに応じた調査形式・設計にてご提案が可能となっておりますので、ご関心をお持ちいただけましたら、ぜひお気軽にお問い合わせくださいませ。