2022.12.08

クラウド型エンディングノートアプリ「楽クラライフノート」のUI・UXをエキスパートレビュー。シニア・中高年層に最適化した改善を実施。

▲右より、NTTファイナンス(株) ビリング事業本部 事業企画部 楽クラライフノートチーム 担当部長 岡部様・担当課長 下里様/(株)オースタンス シニアDX推進事業部 マネージャー 井川

NTTグループの金融会社として最先端の金融・決済・ビリングサービスを展開するNTTファイナンス様。
中高年・シニア世代のお客様に向けたサービスとして、2021年8月にクラウド型エンディングノートアプリ「楽クラライフノート」をローンチし、終活にまつわる様々なお悩みを解消するサービスを提供してきました。ライフステージの変化を捉え、いざという時に備えた老後資金管理や、終活をサポートする中で、利用層である中高年・シニア世代により使いやすいアプリに進化させるためのUI・UX改善を検討されていました。
この度、趣味人倶楽部の運営や、多数企業の中高年・シニア向けアプリ・WEBサービスの調査・改善を数多く手掛けるオースタンスによる、UI・UXエキスパートレビューを実施。中高年・シニア世代の視点を踏まえ、オンボーディングや主要画面の改善を行いました。
取り組みの背景や、エキスパートレビューのご感想などを、NTTファイナンス(株) 岡部様、下里様に伺いました。

実施の背景|アプリの継続率改善にユーザー視点を

2021年8月の提供開始以来、1年あまりで多くの方にインストール・利用していただいてきた「楽クラライフノート」。
一方で、アプリの機能として提供する資産管理や、ご自身の情報整理といった“終活”は、なかなか習慣化しづらいのが現実。サブスクリプションでサービス提供を行う「楽クラライフノート」においては、その継続率が課題となっていました。
そのような課題に対して、アプリユーザー層である中高年・シニア世代の視点を取り入れた改善を行うため、この度、オースタンスによるUI・UXエキスパートレビューをご依頼いただきました。

岡部様(NTTファイナンス)
「楽クラライフノート」は終活にまつわるお悩みを解消するアプリとして開発し、シニアの皆様へ、終活というものにより早くから注目していただくため、2021年8月にローンチしました。
立ち上げの段階から自社で構想・企画し、これまでは多くの方にご利用いただくため、マーケティングに注力してまいりましたが、アプリの継続率に課題感を感じ、改善計画を立てておりました。
そこでシニア・中高年層の視点を取り入れた改善を図るため、シニア向けサービスの調査実績などを多く積まれているオースタンスさんにレビューしていただくことを決定いたしました。

取り組み内容|中高年・シニア視点のエキスパートレビュー

UI・UXにおけるエキスパートレビューの実施にあたり、アプリの改善指標と、それらに対応する現状の把握を行いました。
改善指標としては、継続率向上によるサブスクリプションユーザーの増加促進を主眼とし、まずは指標達成の障壁となるアプリの課題をレビュー。下記のような課題設定を行いました。

・ユーザーは課金継続の必要性を感じない
・流入時の期待値・ニーズを満たせていない
・課金開始動機の促進が不十分である

続いて、改善対象である「オンボードフロー」と「主要画面」について、前述のような課題が発生する原因を分析。主に下記のような問題点にフォーカスすることを決定いたしました。

・何ができるサービスなのか?をユーザーは学習しきれていない
まだまだデジタルに馴染みのない中高年・シニア世代。楽クラライフノートでは、インストール直後のオンボードがウォークスルー形式のチュートリアルのみとなっており、ユーザーの学習が不十分であることが離脱の一因として考えられました。

・アプリ内でのアクションが想起できない
サービスのホーム画面に各機能へ遷移するモジュールが設置されていましたが、何をどう進めていけば良いのか、というアクションの具体が想起しづらいデザイン・ライティングとなっていました。

・アクションのゴール・継続目的が想起できない
メイン機能である終活のための情報記入画面をはじめとして、記入項目の詳細・数量や、記入状況が可視化されておらず、アクションのゴール・継続目的が想起しづらい状況にあると考えられました。
これらが直感的に理解しづらいUI設計になると、アプリを使いこなす前に離脱してしまう可能性が大きくなってしまいます。

下里様(NTTファイナンス)
改善の方針を多数ご提案いただけるうえに、毎回の打ち合わせでの議論に広がりがあったのが良かったです。また、議論を踏まえての再提案が非常に早い。
弊社のオーダーはかなり抽象的なものが多かったと思うのですが、大変柔軟・的確に対応していただいていたと思います。

結果・改善提案|中高年視点と実装観点を考慮した改善

エキスパートレビューで洗い出した課題・原因に対し、UI・UXデザイナーとエンジニアをアサインして、改善方針と具体的なワイヤーフレーム案を提示いたしました。
原因解消のための改善はもちろん、エンジニアも提案に介入することで、改善開発におけるコストや期間を考慮して、実現可能な改善案を提示いたします。
前述の原因分析に対して、主に「チュートリアル」と「ホーム画面」の改善提案をさせていただくことに決定。
改善イメージをワイヤーフレーム化し、お打ち合わせでの擦り合わせをもとに複数案の中からブラッシュアップいたしました。

資産管理や、終活のための情報管理など、コアバリューとなる機能数が多い楽クラライフノート。
まずはアプリの使い方を理解していただくためのオンボーディングを見直しました。
アプリにおけるオンボーディングにおいて、非常に重要度が高いのがチュートリアル設計です。
チュートリアルでは、学習負荷をかけすぎると離脱要因となり、不十分な場合継続利用率が下がるジレンマで、非常に設計が難しいUI分野です。
中高年・シニア層にとっては後者に偏る傾向が強く、ツアー型チュートリアルなど学習負荷をかけてのオンボードが有効であるケースが多くなります。

前述の通り、改善前のアプリではウォークスルー形式のチュートリアルのみとなっており、内容を見過ごしてしまいがち。コーチマークを加えて、資産管理画面の説明と、実際に情報記入をしていただくツアー型チュートリアルを導入し、確実にユーザーに主要機能を学習していただけるよう設計いたしました。

続いて、重要度の高いホーム画面について改善を図りました。
改善前のUIでは、アクションや、そのゴールイメージが想起しづらく、継続の妨げになっていると考えられたことから、その想起を促進するUIをご提案。
情報管理を行う機能において、記入状況の進捗をグラフとパーセントで表示することで、入力が必要な項目を明示し、アクションを明確化しています。
さらに、次の記入項目を明示することで、デジタルに不慣れな中高年・シニア層にも、確実にアクションを促せるよう設計いたしました。

 

岡部様(NTTファイナンス)
感想を一言で言うと、依頼して非常に良かったと感じています。
オースタンスさんのエキスパティーズ・知見に大変納得しながら改善を進めることができました。我々がどうやっても、シニア層のユーザー様にとって何がわかりやすいのか、響くのかというところは分からない状態でやっておりましたので、たくさんの調査などに基づいたご提案で、確かにこちらの方がいい、と納得感を持って進めることができました。

下里様(NTTファイナンス)
シニア層のユーザー様向けのUI・UX改善というところはもちろんですが、それに加えてオースタンスさんは開発のテクニカルな面まで考慮したアドバイス・提案をたくさんいただけるので、その後の実装までが考えられていて非常に効率的だったと思います。

まとめ|年代最適なUI設計の難しさ

このように、中高年・シニア層向けのUI設計には、チュートリアル設計や、アクションの明示など、年代やデジタルリテラシーに最適化された工夫が必要となります。
デジタルに慣れ親しんだ、若年層向けのUI設計と異なり、学習負荷やアクションの明示性をある程度引き上げる一方で、ユーザビリティを損なわないよう、過不足なく設計することが重要なのです。
オースタンスでは、自社事業である趣味人倶楽部をはじめ、数々の中高年・シニア層向けデジタルプロダクトの調査・改善を実施しております。
プロダクトグロースや、新規プロダクト設計にお悩みの担当者様は、まずはお気軽にご相談くださいませ。

 

また記事でご紹介させていただきました
NTTファイナンス様との共同開催ウェビナー資料も配布しております。

NTTファイナンス様よりシニア向け事業開発の背景
今後の展望をご紹介いただいておりますので、是非ご覧ください。