2022.08.26

ゲーム&コミュニティ「ゲソてん byGMO」のユーザー体験を最適化。趣味人倶楽部と連携しユーザー起点のUI・UX調査を実施。

▲左より、GMOメディア(株) 取締役 兼 コンテンツ事業本部 本部長 佐藤様|GMOメディア(株) サービスデザイン部 マネージャー 出井様|(株)オースタンス シニアDX推進事業部 ソリューションユニットマネージャー 井川|(株)オースタンス CEO 菊川

長年、ゲーム&コミュニティ「ゲソてん byGMO」にてブラウザゲームを展開してきたGMOメディア様。多数のゲームラインナップや、各種ポイントサービスとの連携などを通して、多くのユーザーに利用される中、ボリューム層である中高年代に着目し、サービス体験向上に向けたUI・UX改善を図られていました。
この度、「ゲソてん byGMO」のUI・UX改善を目的として、実際のユーザーの行動や思考からインサイトを得るため、趣味人倶楽部にてユーザーテスト主軸のUI・UX調査を実施。
取り組みのご感想や、調査を経た今後の展望について、GMOメディア(株) 取締役 佐藤様、コンテンツ事業部 マネージャー 谷村様、サービスデザイン部 マネージャー 出井様にお話を伺いました。

実施の背景|中高年層のオンボード・継続への課題感

この度のお取り組みの調査対象であるゲーム&コミュニティ「ゲソてん byGMO」においては、長年の運営によるサービスの経年や、ポイントサービスとの連携を経て、中高年代のユーザーボリュームが増加してきたとのこと。
ゲームタイトルの増加や、ポイ活要素が介在することによるサービスの複雑化に加え、年代的なデジタルリテラシーの壁が発生し、ユーザーの初期継続率と、そのボトルネックであるサービスオンボードに課題を感じていらっしゃいました。

佐藤様(GMOメディア)
サービス立ち上げからの経年とともに、ユーザーの方々も年を経てきてまして。ボリュームゾーンも40代〜50代、さらには60代の方も多くいらっしゃるので、ユーザー層に根ざした形でサービス改善に目を向けていかなければ、という状況でした。かねてからユーザーインタビューやN1マーケティングなど、ユーザーに対して個別に意見を吸い上げるということに注目していたことが今回の依頼の背景となりました。

取り組み内容|登録直後の行動を解き明かすユーザーテスト

今回の取り組みでは、登録直後のユーザーをサービスに定着させる”オンボード”の課題を明確化するため、被験者に実際のサービス登録・利用を体験していただき、その一部始終を観察する「ユーザーテスト」を実施いたしました。
調査設計段階で現状課題を擦り合わせ、被験者要件・ユーザーフローを設定し、被験者5名を選定。
リサーチャー兼デザイナーがユーザーテスト・デプスインタビューを行い、ユーザー行動・心理を調査いたしました。

出井様(GMOメディア)
過去、ユーザーインタビューなどを行ったことはありましたが、頻繁には行っていませんでした。社内のデザイナー主導でユーザーに直接インタビューしたりという機会もあるんですが、やっぱりコストがかかってしまうので…。UI・UX改修などにあたっては、社内で近しい人に対してインタビューするような形や、その他はデザイナーが自身のノウハウを駆使したりといった形だったので、ユーザーテストをベースにUI・UXを評価・コンサルティングしていただく機会はほとんどなかったです。

結果・示唆|調査を経た課題の分解とエキスパートレビュー

被験者5名によるユーザーテストを行った後、発言録や実際の画面遷移を資料化。
各被験者にとって共通的な障壁となったユーザーフローを明らかにし、調査を経た課題の整理と原因分析を行います。

設計段階でユーザーゴールとして設定した、「ゲームプレイによるポイント獲得」について、全被験者が時間内に達成できない結果となりました。
これらを踏まえ、被験者にとって共通的な障壁となったユーザーフローに対し、UIや導線設計上の改修案を提案させていただきました。

また、GMOメディア様の場合、すでにUI・UXデザインの改修案を策定されていたため、こちらに対するレビューを追加しております。
調査を踏まえ、既存の改修案のブラッシュアップ、及び開発コストを考慮した検証設計などのご提案をさせていただきました。

谷村様(GMOメディア)
現在のサービスではポイント獲得(ユーザーゴール)がなかなか達成されていない状況は理解していましたが、本当に全然わかってもらえていないことがわかりました。チュートリアルなどをより分かりやすく設計しないと先に進めないんだということを実感しました。
出井様(GMOメディア)
調査結果から、実際のユーザーの感覚が伝わってきて、いままでの想像だけでは足りていなかった部分を実感しました。ユーザーのリアルな行動から、論理的にも感覚的にも補完される提案が多かったです。

今後の展望|調査結果と示唆・改善提案の活用可能性

GMOメディア様では、ご提案内容の多くを、策定を進められていた改修案に組み込んでデザイン・開発を進めていただけたとのこと。
ユーザーテストを踏まえ、中高年代以上のインサイトや、開発コストにも配慮した改修案のご提案を、大変スピーディーにご活用いただけました。

谷村様(GMOメディア)
ご提案を踏まえてGoogle Analyticsを見たところ、示唆提案と合致する部分が確認されました。検討していた大きな改修は効果の有無が明瞭ではない点も多く、ご提案の通り、検証を経て着手した方が良いという結論になりました。
佐藤様(GMOメディア)
全体を通してとても満足しています。おそらく今回の提案に含まれるアイデアはほとんど実装に組み込むのではないかと思います。元の改修案だと2ヶ月ほどの工期を見積もっていた開発項目も、提案にあった形で検証することでロスなくスピーディーに実行に移せました。自社サービスなどで開発経験も豊富な、オースタンスさんらしいご提案だったと思います。

まとめ|ユーザーテストの有用性とシニアDX知見の活用

今回のGMOメディア様のお取り組みでは、中高年代以上のWEBサービスオンボードにフォーカスし、ユーザーテストを中心としたUI・UX調査を実施させていただきました。

WEB・アプリサービスのUI・UXにおいては、近年加速するユーザーの”デジタル慣れ”も含めてユーザビリティが評価されます。
中高年代以上を意識した場合、”デジタル慣れ”が進んでいない面が大きく、”一般にユーザビリティが高いデザイン”が、この年代には返って使いづらい・分かりづらいという状況も往々にして発生します。
そのような年代間のギャップは想像で理解することが難しく、ユーザーテストを通して実際に観察・調査する手法が最も効果的なアプローチだと考えられます。

オースタンスでは、中高年・シニア世代のUI・UXリサーチやビジネスリサーチを数多く実施しており、「シニアDX」という領域において多面的な知見をご提供できると考えております。
ぜひ、ご関心をお持ちいただけましたら、お気軽にお問い合わせくださいませ。